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外面と心の清らかさについてのメモ。

2010年06月29日 | あちこちからタズキヤ(自我浄化)
外面と心の清らかさについてのメモ。

言うのを禁じられている事柄は、それを聞くことも同様に禁じられている。
悪口は、兄弟の死肉を食べるのと同じ行為であり、悪口を言わずとも聞くことは、
その悪口に参加していることになる。それが原因で心に闇が入り込む。
あなたの心はアッラーのもとでとても大切な存在であり、
アッラーはあなたの心がごみ箱になることを嫌い給う。
つまり、人間の汚い言葉であなたの心が埋まってしまうことである。
だからこそ、あなたの耳を汚い言葉から守ること。

汚い言葉とは、غيبةギーバ(悪口)やنميمةナミーマ(噂)。
ナミーマは、問題を発生させるために言葉を伝言すること。
「あの人があなたのことを~~と言っていたよ」
こう言う人は、あなたとかの人の間に問題を作ろうとしている。
この類の話は受け取らず、また他人に伝えてはいけない。
ナミーマから耳を守るのは、心に闇が入り込まないようにするためだが、
なぜならナミーマはは心に憎悪を齎し、心を汚すから。
つまり人を誤解してしまうということ。

聞かずそして言わぬこと。
話すこと以外に心に闇を齎す、「口」が関連していることに、「食べ物」がある。
アッラーを求める者よ、ハラームを口にすることに満足してはいけない。
食べ物は口に直接影響する。
ハラールを口にする者は、四肢が嫌がりながらもその者に従い、
ハラームを口にする者は、四肢が嫌がりながらもその者に逆らう。

あちこちから法見解を探して利子を手に入れようとしたり、
賄賂を受け取ったり(アッラーは賄賂を払う人と受け取る人を呪い給う)、
盗まれたお金を使ったり、
あなたに本来相応しくないお金を受け取ったり(他人がその地位ゆえに受け取るべきであった金品をあらゆる形で横取りすること)。
こういったお金は心を暗くする。

アッラーを目指す者は、口に対しても畏れの気持ちを忘れない。
それが合法かどうか、徹底的に調べる。
アッラーをまじめに目指していたかつての時代は、食べ物、衣服、住居の合法性の探求にこだわっていた。

欲望やحب التوسع(拡大に対する憧れ)の原因:欲望や自我に心が追従するようにあなたが仕向けたため。

あなたの中にある弱さの原因が分かれば、それに対峙しなければならない。そしてこのمنفذ入口を閉じること。

自分自身、妻、子供たちの口にハラールでないモノが入ることに満足してはいけない。ここで次の言葉が重要である:
「自分の心にたずねてみなさい。周りが法的判断を示しても。」
ハラールと裁定されても、最終的に心にたずねてみるべき。
その時にあなたがどう感じるか。

あなたの心を守るために、あなたはこのمنفذ入口を制限する必要がある。つまり、食べ物が入ってくる入口である。
このことに関する…ハラール希求をすすめる多くのハディースが伝わっている。

しもべがハラールを求めて出かけると、額から流れる汗に対しても報奨を彼はいただけるとか、
ハラール希求者は、アッラーの道において戦う者と同位であるとか、
ハラームを避けてハラールを求める者は、صديقون誠実な者たちの位に上り詰めるとか、
疑いのある1ディルハムを避けることは、10万ディルハムをアッラーの道のために費やすよりもアッラーに好まれるとか。
なぜか?

「感覚に影響を与えるモノ」からمنفذ入口を昼夜閉めても、他の閉めるべき入口が残っている。
それは、私たちが特に注意を払うべきものだ。
それは感覚的なもので、物質的入口ではない。
アッラーを志す学問の学者たちはそれを、الخواطرハワーティル(頭に浮かんだ考え等)と呼んだ。
つまり、心に浮かぶものである。

アッラーが好み給うすべてのطاعة服従行為は、خاطرハーティル(ハワーティルの単数)で始まる。
逆にアッラーが嫌い給うすべての罪もハーティル一つがきっかけ。
人間がこの思いつきに応じてそれらは起きる。

このハーティルは内面で起き、それには4つの源がある:
1.النفسナフス(自我):هواءハワーゥと呼ばれる。暑い中の斎戒中、冷たい水を見たときにそれを飲みたくなる気持ち(=ハーティル)はナフスから生まれる。
2.الشيطانシャイターン(悪魔):悪魔は人間の心にيوسوس囁きかけるゆえ、ワスワースと呼ばれる。
3.الملكマラク(天使):《天使は信者の心に向かい、善を勧め、それを約束し、それを美し見せる。そして悪魔が来ると彼は悪を勧め、それを約束し、それを美しく見せる。》もし信者が悪魔に従えば、罪を犯すことになる。これが結果なのである。天使のハーティルに従えば、服従行為に向かったことになる。天使からのハーティルを学者たちはاللمةランマと呼ぶ。
4.アッラーからのハーティル:アッラーをそれを心に投げ込み給う。الإلهامイルハーム(インスピレーション)と呼ばれる。

以上4つの源は心に注ぎこまれる。心にある入口にこの4つはハワーティルを流し込む。
求道者の心にも、一般の人間の心にも、多くのハーティルが生まれる。

7000のハーティルが一日の間に生まれていると言われる。
そしてそれらは上の4つに分けられる。
この多くのハワーティルは、善か悪に分かれる。
求道者としてあなたに求められているのは、善いハーティルを選ぶこと。
そしてそのハーティルが言うことによく耳を傾けること。
そうすることはالإدراكイドラーク認識に役立つ。
善のハーティルは、心のイドラークを広げると同時に心に善を望んでくれる。
悪を含んだハーティルは、それをあなたが制止し、変化させ、操縦し、それからあなたの心守らないと、悪の欲が動いてしまう。
善のハーティルは、善のالإرادةイラーダ(意志)に働きかけ、悪のハーティルは、悪のイラーダに辿りつかせる。
どちらにしてもあなたはこの2つのハーティルの間を往来する。

二者をどのように区別するか?

現代を生きる人間は忙しすぎる。
しかしあなたは求道者である。来世を求めているのだ。
来世とアッラーを求める者でいる限り、そのことで他の人たちとは違うのだ。
ここで今決意しなさい。
あなたは、人間がモノになってしまう世界に生きないことを。
あなたはアッラーのしもべになることを望んでいるのだ。
そうでなければ、あなたはこの世界の自然のしもべになってしまう。
他の人たちよりもよりよく生きなさい。

あなたは、人生に目的を持って生きる。
現代の若者は走り続けており、歌を聴き続け、予定をこなしてばかりいるが、
さていつ考えるのか?
人生の次のステップについて座って考えるのはいつなのか?
ここで問題にしているのは、人間が「生活の水車」に飲み込まれる危険性である。

自分をアッラーに近づけたり、精神を和らげてくれる美しい声や言葉を聞くのは問題でないことははっきりしているわけだが、
それが人生の中心事項になってしまわないように気をつけなければならない。
立ち止まって、「自分には任務があるのだ」と考える必要がある。
アッラーを求めるなら、自分が忙しさの水車に飲まれることに満足しないし、
任務を最良の形で遂行し、学生であれば優等生を目指す。
そこには「アッラーに近づくのだ」という目的がある。
自分が成功した貿易商であれば、それはアッラーに近づきたいという目的があるから。

ここで注意が必要。
私たちは浮かぶハーティルについて熟考せずに過ごさぬことが大切である。
あなたが自分の心を善悪両方のハーティルの集合場所にしてしまったら、
あなたの行動はしんのないものになってしまう。

続く。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yasmine)
2010-07-02 07:41:37
アッサラームアライクム
『あちこちからタズキヤ』好きです!
汚い言葉が気が付かない内にナフスに影響与えられているの痛感しています。
怖いですね~。
いつもアッラーのことだけで、心をいっぱいにしていたいものです、インシャーアッラー。
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Unknown (伊曼)
2010-07-02 07:55:07
ワアライクムッサラーム ワラフマトゥッラーヒ ワバラカートゥフ
お好きですか。アルハムドゥリッラー。嬉しいです。今後の更新の意欲につながります!
汚い言葉を聞かずにいる…というのは簡単にできないですよね…アスタグフィルッラー。汚い言葉を言い始める人と同席していても、話題を自然に変えられるようなスキルを身に付けたいですね。
返信する
Unknown (アイシャ)
2013-02-24 18:09:22

アッサラームアライクム

この話を読んで、自我が固執している罪について理解できて、それを遠ざけることができそうです。
アルハムドゥリッラー 
ところで、これはクルアーンのアーヤなんでしょうか?かぎ括弧がついてますが。

天使は信者の心に向かい、善を勧め、それを約束し、それを美し見せる。そして悪魔が来ると彼は悪を勧め、それを約束し、それを美しく見せる。
返信する
アイシャさまへ (伊曼)
2013-03-19 11:34:59
アッサラームアライクム

コメントありがとうございます。
アーヤを載せる際は、章名と節番号を載せています。
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