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預言者伝【番外編10】

2015年09月10日 | 預言者伝関連
また預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)は、”別れの巡礼”を実行されました。その時、彼と共に大勢の信徒たちがおり、すでにアラビア半島は彼に伏していました。そんな中、預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)は、その価値が4ディルハムにもならないビロードに覆われたぼろの鞍にお乗りになっていたのです。そして彼は次のようにおっしゃいました:《アッラーよ、(この巡礼を)偽善も世評もない巡礼にしたまえ。》(アッ=ティルミズィー)

また彼(アッラーの祝福と平安あれ)は、教友アブーザッル様(アッラーの御満悦あれ)におっしゃいました:《このウフド山ほどの金を所有し、3日たってもそこから1ディーナールを持っていることを私は喜ばないが、そこから負債のために準備しておくこと、アッラーのしもべたちに、はい、はい、と右、左、背後にと配ることは別である。》(アル=ブハーリーとムスリム)

また教友ジャービル・イブン・アブドゥッラー様(アッラーの御満悦あれ)は言いました:《アッラーの使徒様(アッラーの祝福と平安あれ)は何かを求められて、いいえ、とおっしゃったことがありません。》(アル=ブハーリー)イブン・アッバース様(アッラーの御満悦あれ)は彼(アッラーの祝福と平安あれ)について言いました:《預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)は、人々の中でもっとも善において、(恩恵をもたらす雨雲を含んだ)風よりも寛大でいらっしゃいました。》(アル=ブハーリー)教友アナス様(アッラーの御満悦あれ)は言いました:《ある男が彼(アッラーの祝福と平安あれ)にものを求めると、彼(アッラーの祝福と平安あれ)は二つの山の間にいるヤギを彼にお与えになりました。男は里に帰り、(人々を誘って)言いました:皆、帰依しなさい。まことにムハンマドは、貧困を恐れない男のようにものを贈る。またある時、彼(アッラーの祝福と平安あれ)のもとに9000ディルハムが運ばれてきました。敷物の上にそれが広げられ、彼はそれを配り始めました。彼(アッラーの祝福と平安あれ)はそれがなくなるまで、欲しがる人を拒むことはありませんでした。

人々と:
預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)の現世におけるこのような崇拝行為や慎ましい生活様式、心身ともにアッラーに対峙すること、そして彼のことで忙殺されること、また彼に懇願することが、絶えない笑顔、明るい表情、同胞への心配り、人々への思いやり、必要者すべてにその必要を満たしてあげることといった行動を邪魔することは一切ありませんでした。以上を成し遂げられるのは彼(アッラーの祝福と平安あれ)以外にはいらっしゃらないのです。彼(アッラーの祝福と平安あれ)のお言葉:《もしおまえたちが私が知っていることを知ったなら、必ずやおまえたちは少しだけ笑い、多く泣くだろう。》(アル=ブハーリーとムスリム)

彼(アッラーの祝福と平安あれ)は、誰よりも心が広く、物腰が柔らかく、寛大で、教友たちと冗談を言い合い、彼らと交わり、子供たちと遊び、彼らを自らの膝の上にお乗せになるお方でした。また、自由人と奴隷人と貧者の頼みごとに応え、病人が町の遠くにいても彼を見舞い、言い訳する者の口実を許容されました。また、誰の邪魔にもならないよう、仲間たちの前でその足を伸ばしてお座りになることもありませんでした。

教友アブドゥッラー・イブン・アル=ハーリス様(アッラーの御満悦あれ)は言いました:《私はアッラーの使徒様(アッラーの祝福と平安あれ)より多くほほえむ人を見たことがありません。》(アッ=ティルミズィー)ジャービル・イブン・サムラ様(アッラーの御満悦あれ)は言いました:《私は100回以上にわたってアッラーの使徒様(アッラーの祝福と平安あれ)と席を共にしたことがあります。彼の教友たちは詩を詠みあったり、無明時代の諸事を語り合ったりしていましたが、彼(アッラーの祝福と平安あれ)は何もおっしゃらずにおられました。もしかすると彼らと一緒に微笑んでいらっしゃったかもしれません。》

(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P427〜428)
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