退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「リテラシー」について

2011-07-22 01:24:57 | Weblog
くもり。怪しい空模様。

飯田泰之「ダメな議論」を読む。

5年前にちょいと売れたと思われる経済学者の本で
文字通り「ダメな議論」をコストをかけずに見抜こうという内容。

以下に5つのチェックポイントを挙げてく。

1.定義の誤解・失敗はないか
2.無内容または反証不可能な言説
3.比喩と例話に支えられた主張
4.単純なデータ観察で否定されないか
5.難解な理論の不安定な結論

さらには「100%正しいこと」などそもそも人には考えられないので
「それですべてがうまくいくわけはない」という反論は「ニヒリズム」だとも。

宗教家や占い師あるいは手品師が使う「コールド・リーディング」にも注意。
「信頼関係」を作り「誰にでも当てはまる質問」をして「過去を当てた」と思わせる技術のこと。

考えてみれば至極当然のことばかりが並べられているのだけれど
その「当然」が「空気」によって歪められるのが逆に「当然」なわが国では知っておいた方がいいはず。

何気なく「当然」という言葉を使ったけれど
本来その種の「抽象的な言葉」はただただ「あいまい」なだけ。

特定の時代の特定の人々にとっての「当然」は時代によって移り変わるもの。
そのことを基本にできればいいのだが。

経済関係の人々は
「分析型」「風見鶏型」「万年強気派」「万年弱気派」の4つに分けられることも覚えておこう。

好ましいのは一番目で、次は「言説」の推移を追えばすぐに底が割れ
三と四は「景気が循環するもの」であることを思えばいつかは「当たる」もの。

「わからないもの」に対しては常に「謙虚」であること。
そして「あいまいな言葉」をいたずらに書き連ねないこと。

こうしたことが「常識」なら何の苦労もないわけで
残念ながら著者の「啓蒙」はすでにそれを「常識」だとしている人にしか届かない悪寒がする。
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