退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「観ていない『観察映画』の素敵さと『一人前』になるための痛みあるいは僅かなやさしさ」について

2019-08-29 02:04:14 | Weblog
くもりときどき雨。降ったり止んだり。

想田和弘「演劇vs映画」を読む。

「観察映画」ってそういうことなのねと今さら。
何より監督の作品を一本も観ていないという不勉強。

平田オリザというキャラクターにふむふむ。
初めて「相当な人物」だと知る。

面白いのは「ハッピー・バースデイ・トゥー・ユー」に関する話。
なぜか著作権がワーナーにありそれで結構儲けているとのこと。

もっともそれゆえに「音を抜くこと」が「音を入れること」になる発見も。
「映画になる・ならない」という判断も興味深く。

Gyaoで済ませている場合ではないかもと思った次第。
と言いつつまたまた。

石井克人「スマグラー お前の未来を運べ」(’11)を観る。

役者を目指していたフリーター妻夫木聡が「一人前になる」お話。
マンガ「殺し屋1」を思わせる「拷問と痛み」をもたらすのは高島政宏。

長瀬正敏はこんな「男前」も出来るのか。
安藤政信の「殺人マシーンぶり」は「蜘蛛男」並みの動きが楽しい。

親分島田洋八(!)の妻である満島ひかりの8年前の姿はいい感じ。
「鮫肌男と桃尻女」(’99)が懐かしくキャストの重なりもあり。

かつて「戦争映画」でもっぱら使われていた中国語が
今では「裏社会」絡みで使われることが少なくないことをあらためて。

「強烈な一撃」を喰らった人間が「透明な液体」を吐き出す描写が印象的。
「野獣死すべし」(’80)の松田優作も二回ばかり登場する。

superfly「愛をくらえ」もなかなか。
編曲は蔦屋好位置で「愛をくらえ= I won't cry」と聞こえる歌詞もミソ。

「生まれ変わるための痛み」は相当に激しい。
とはいえそこに「意味」があるのだという強烈なメッセージよ。

そして「僅かなやさしさ」に感謝する描写を覚えておきたい。
コメント
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