退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「美しい生き物の色彩と『西部劇』における女たちの我慢」について

2016-10-21 03:17:25 | Weblog
快晴。上着なしで出かける。

フィリップ・ハウス「なぜ蝶は美しいのか」を見て読む。

「サテュロス型擬態」の「サテュロス」とはギリシャ神話に登場する「半人半山羊」。
動物たちが敵の目をくらますために「他の動物もしくは幼生」に擬態する様を言う。

その中には「ベイツ型」と「ミュラー型」があって
「擬態のモデルと擬態する種の毒性の強弱」によって分かれるとのこと。

そうした「解説」は抜きにしても本書の写真を見るだけで
蝶や蛾たちの「擬態の見事さと不思議さ」はよくわかる。

科学的な説明の合間に引用されるさまざまな言葉の魅力がなかなか。
それにしてもこの色合いの見事なこと。

普段「煤けた町や人物」に慣れきってしまった目にはまさに「砂漠のオアシス」。
久方ぶりにじっくり「目の保養」をさせてもらう。

「OK牧場の決斗」(’57)を再見。

ディミトリー・ティオムキンの軽快なテーマ音楽とフランキー・レーンの歌声よ。
ご存じワイアット・アープとその兄弟&ドク・ホリデイvsクラントン一家の対決。

バート・ランカスターのアープとカーク・ダグラスのドク・ホリデイが
ともに「我慢を重ねた挙句」に決斗するのは「やくざ映画」に似ていなくもなく。

ロンダ・フレミングの清潔さとジョー・ヴァン・フリートのやさぐれの対照。
後者の「どうしようもない純情ぶり」が沁みる。

ジョン・アイアランドのリンゴ、デニス・ホッパーのビリー、ジャック・イーラムはマクローリーで
後の「ドクター・マッコイ」デフォレスト・ケリーはアープの兄役。

そして冒頭ですぐやられてしまうエドにリー・ヴァン・クリーフ。
チャーリー役アール・ホリマンの「哀しさ」も覚えておこう。

とはいえ一番魅力的なのは「破滅型」ドクのカーク・ダグラスか。
ただしここでも「男は女より男を選ぶ」事実があり。

子どもたちの「ワルぶり」に心を痛めつつ彼らの無事を祈っているクラントン一家の母と
兄弟の「意地」を批判するアープ兄弟の妻、ドクの無茶を押さえようとするケイトは「みんな同じ」。

アープを愛する賭博師ローラは「私が全部捨てるからあなたも捨てて」とまで言うのだけれど。
一番「我慢」しているのは結局彼女たちなのだろう。
コメント
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