退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「お楽しみはこれからだ!」ということについて

2016-10-07 02:25:58 | Weblog
晴れ。夜風はやや冷たい。

半藤一利「荷風さんの昭和」を読む。

どんな時代であろうと「ブレないこと」の魅力を教えてくれる内容。
「断腸亭日乗」に他の日記を重ねて「事実」を推測する著者は見事。

やさしい語り口と時折見せる「品のいいべらんめえ」が素敵。
もちろん歴史のあれこれを教えてくれる当然を忘れずに。

「底」が抜けて久しい現代を生きる上での参考になることは確か。
今後もマイペースで行こう。

アルフレッド・ヒッチコック「第3逃亡者」(’37)を観る。

殺人事件の犯人だと疑われた主人公が
警察署長の娘の協力を得て自らの潔白を証明しようとするお話。

原題は「Young&Innocent」で「Innocent」には「無実」のほかに「無邪気」の意味が。
全体としては後者の雰囲気が勝っている。

「警察署長の娘」でありながら「殺人犯」の逃亡を助けるエリカ。
法廷の騒ぎに乗じて「何気なく」逃亡するロバートのいずれもそう。

浮浪者ウィルのエドワード・リグビーや叔母のメアリー・クレアの「たたずまい」よ。
この種の人物がそばにいるだけで「幸せ」になれそう。

ハシゴで二階に上る造りになっている「納屋」が登場。
個人的にはこういう「家」に住んでみたいなどと。

ヒッチコックというと「サスペンス」のイメージが強いとは思うけれど
本作や「スミス夫妻」(’41)のように「ほのぼのとした作品」もある。

詳細については「ヒッチコック トリュフォー 映画術」まで。
「クレーン撮影」の見事さについての記述がある。

「鬼ごっこ」の使い方のうまさを覚えておこう。
もちろんそこに登場するたくさんの子どもたちの「無邪気さ」も同様に。

ミンストレル・ショー」が登場するのもポイント。
アル・ジョルスン主演の「ジャズ・シンガー」(’27)ほどメインではないけれど。

そういえば和田誠「お楽しみはこれからだ」のシリーズを何度も読み返したもの。
「You ain't heard nothing yet!」というより「You ain't seen nothing yet!」と思わされる今日この頃。
コメント
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