続いている小春日和が崩れるのは今日か明日かと思いつつ…今日はもう立冬、早いですね~
演奏活動が2ヶ月に1回となった今年は少し時間に余裕が出来たので、長年気になっていた部屋の整理や片付けに目を向けられるようになった。その一つがピアノ。
居間の一等席を陣取っていたピアノは、子どもたちがいなくなった後、和室のタンス置き場へ追いやられ(追いやったのは私)、長い間そのままに。子供の就学前に我が家へやってきて、子供の成長とともに歩んだピアノ。楽器は使われてこそ楽器としての命が輝く。とはいえ、私自身が子供の頃のあこがれの楽器であったので、いざ手放すとなると迷いが生じ、簡単なエチュードを久しぶりに弾いてみると、指の筋肉が衰えていて、以前のようにはもう弾けないことが決断させてくれた。
引き取られて行く前日に、ポリッシュを使って磨いてみると、ひどい汚れ…30数年分の?ごめんね。
そして当日の朝、全部の鍵盤の音を出してみる。この家で響く最後のピアノのナマ音。
間もなくして逞しい運び屋さんが札幌から到着して、早速タンス置き場から引き出す。この作業が一番大変だったのか、一休みしてこの前の地震の様子など和やかな会話が弾む。とピアノのあった後ろの壁が一部傷ついているのを発見、「地震が原因だね」という言葉に「傷を残していくんだね、バイバイピアノ」と応えると、運び屋さんはハッとして作業に取り掛り、あっという間に家から出して、トラックに積み込んだ。「ありがとうございます、よろしくおねがいします」と言って鼻水をすすりながら送り出す…また誰かの心を豊かにしてね。。。
斯くしてタンス置き場には収まるべきタンスが入り、すっきりとした和室を取り戻すと、ゲンキンなもので寂しさはどこへやら、これで良かったんだと思えてくる(フフ)
蛇足:明治生まれの祖母が長い間使っていたタンスが大正生まれの母に渡り、昭和生まれの私の所にきたときには、もうガタピシャガタピシャ。さぁ、これも磨いてやらなくちゃ。