想像ラジオ
いとうせいこう
河出書房新社
かの大震災で被災された方の気持ちを想うことはあっても、亡くなられた側の気持ちを考えたことはあったか…
そんなことを気づかせてくれた本書は一人称の口語体、しかも比較的軽いタッチなので一気読みしやすいが、実は悲しみの重い内容で、読後にはなんとも切ない気持ちが後を引く。
ボランティア活動についての議論も興味深い。
利用してはいまいかという気持ちに、何も考えないでただ行動するという答えを得る。
初めて知った言葉…魂魄(こんぱく)
・古代中国における霊の概念。
・魂は人の精神を司る気、魄は人の肉体を司る気。
・死者のたましい、霊魂。
想像力の豊かさが人を繋げ、欠如が諍いを呼ぶ。