POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 礁溪の「山泉大飯店(Sun Spring Resort)」の副総理で支配人のジェシーさんに「國立傳統藝術中心はとても面白いですよ」と勧められ、前回の台湾旅行(2008年10月)では行こうとしてみたのですが、時間切れで行くことができませんでした。今回の台湾旅行ではジェシーさんのオフのときにその案内でようやく見学することができました。Thank you very much for your kindness, Jessie. We had a very good time in Jiaosi, Yilan and Luodon.

(参考) 「台湾へ再び」-「羅東」の「国立伝統芸術センター」へ



 台湾の東北部で、南北と西の3方を山に、東を海に囲まれた「蘭陽平野」を中心とした地域は宜蘭県という行政区画になります。台湾島を東西に分ける脊梁山脈である「中央山脈」に水源を持つ「蘭陽渓」の沖積作用により形成された蘭陽平野は肥沃な土壌で農業が盛んです。しかし、冬の北東からの季節風の時期には、ぐずついた天気になることが多く、雨が多い。

 宜蘭市の降水量
01月 160mm
02月 180mm
03月 130mm
04月 130mm
05月 220mm
06月 190mm
07月 146mm
08月 240mm
09月 440mm (9月から11月にかけて雨が多い。東京都の雨の多い8月の降水量は390mm)
10月 440mm
11月 360mm
12月 190mm

 それでも、今回、「山泉大飯店」にいる間に雨に降られることはありませんでした。私の普段の心がけが良かったかな。それとも、お客さんに親切なジェシーさんの普段の心がけが良かったのかな。多分、後者でしょうね。

 宜蘭県は最近まで、海岸沿いまで山地が迫る地勢のために台北からのアクセスが悪く、開発が遅れていました。そのために、「礁溪温泉(しょうけいおんせん、チャオシーおんせん)」は日本人にはあまり知られていません。しかし、2006年に北宜高速道路の雪山トンネルが開通し、台北市内と宜蘭県の入り口の礁溪郷まで車で30分ほどで結ばれるようになりました。

 「礁溪」から「羅東」へ向かう列車の中でジェシーさんに尋ねてみました。

「あなたのホテルに泊まるお客さんで多いのはどこの国の人ですか。」
「台湾人ですね。」
「大陸の人たちは?」
「います。ツアーですね。」
「他には?」
「韓国人、日本人です。」
「韓国に留学経験があって韓国語には不自由しないから、お客さんが韓国人だと不便はないでしょう。日本語はどうですか。」
「すこしならね。」
「日本人は温泉が部屋に引いてあるから喜ぶでしょう。」
「そうですね。ツアーで花蓮に行く途中で立ち寄ってくれるんです。」
「日本人の個人客は少ない?」
「ええ、見所はあるのですが、、、」
「チャオシー自体も設備やホテルが充実してきていますよね。」
「新しいホテルやコンドミニアムが建築中です。」

 私たちは「山泉大飯店」を足場として台湾北部を観光して巡るという旅のスタイルを提案してみることにします。基隆市の「八堵」駅から宜蘭県蘇澳鎮の「蘇澳」駅に至る台湾鉄路管理局の鉄道路線を「宜蘭線(ぎらんせん、イーランせん)」といいます。「礁渓」駅 から南下すると、(4.7km)→「四城」→(3.7km)→「宜蘭」→(5.8km)→「二結」→(1.2km)→「中里」→(1.8km)→「羅東」と停まっていきます。

 「呉沙」という人物がいます。呉沙(1731年~1798年)は「清國」の福建省漳州に生まれます。40歳を過ぎた頃(1773年、乾隆38年)に台灣に移住します。呉沙は、「淡水」と「基隆」で、台湾に古くから居住する人たち(平埔族。台湾先住民のうち平野部にすむ民族を指す総称。噶瑪蘭族(クバラン族)、凱達格蘭族(ケタガラン族)など。MRT新北投駅から歩いて約10分のところに「凱達格蘭文化館」がある)と交易をします。

 1787年に、呉沙は一群の移民を率いて蘭陽平野の開墾を始めます。福建省の漳州移民を中心として、泉州族と客家族を加えて、武力で現地の開発を進めます。アメリカ大陸に移民したイギリス人などのヨーロッパ人がネイティブアメリカン(インディアン)と抗争を繰り広げたのと同じような状況があったわけです。しかし、呉沙はやがて古くから居住する人たちとの友好関係を築き上げ(その転機になったのは天然痘が古くから居住する人たちの間で流行したときに呉沙が薬を提供したことだと言われる)、共存関係を保ちながら開墾を続けます。呉沙は「宜蘭の開拓の父」と言われることになります。

 南アメリカ(ラテンアメリカ)に移民したスペイン人やポルトガル人は、北アメリカ(アングロアメリカ)に移民したイギリス人などと異なり、積極的に先住民との婚姻をすすめます。ヨーロッパ人とラテンアメリカの先住民(インディオ)との混血である人々はメスティーソと呼ばれます。少数派となっていく先住民は、そのアイデンティティを犠牲にして、多数派になっていくしかなかったのです。台湾では、高山族と異なり、平埔族はこの道を選択します。

 「呉沙」(その子「呉化」)によって拓かれた宜蘭県の観光地は、まず、「羅東(らとう、ルォードン)」を紹介してみましょう。羅東で訪れるといい場所は、「国立伝統芸術センター(「國立傳統藝術中心)」と「羅東夜市」だと思います。「国立伝統芸術センター」に行って、夜になったら「羅東夜市」に行くというのはどうでしょう。「羅東夜市」では、ショッピングで(私の感想では)面白いものに遭遇しなかったのですが、食べ物ではいろいろなものに出会いました。「羅東夜市」の話は次回にすることにしましょう。



 羅東駅は西口と東口があります。「羅東夜市」などのある羅東の中心部に行くには西口(前站)で、「国立伝統芸術センター」に行くには東口(後站)になります。駅前の乗り場からタクシーで行くなら200元ほどがかかります。少し歩けば、「国立伝統芸術センター」に行くバスも出ています。ただし、本数は少ない。今回はタクシーで行きました。



 2004年にオープンした「國立傳統藝術中心(国立伝統芸術センター)」は、総面積24haあり(東京ディズニーランド 51ha、東京ディズニーシー 49ha)、劇、音楽、舞踏、工芸、雑技などのテーマに沿って、21の建物と景観エリアが設置されています。人形劇や台湾オペラなど台湾の伝統芸能や台湾各地の工芸を楽しむことができます。統一グループがコンペで運営委託権を得て、運営しています。統一グループは、台湾などで、「セブン-イレブン(ライセンス契約、台湾全土に4,800店舗ほど)」、「スターバックス(合弁、220店舗ほど)」、「ミスタードーナツ(合弁)」、ドラッグストア(药妆店)の「健是美(300店舗ほど)」などの事業を展開しています。

 夫の話してくれたことを盛り込んで記事を書いていたら、長くなってしまいました。国立伝統芸術センターの話は次回に続いてしまいます。それではきょうはこの辺で、、、

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