嘗てデヴィッド.リンチが作った「砂の惑星(デューン)」という映画があった。グロ味が強くシュールで好きな映画だったが(何故かスティングも出ていた。そして音楽はブライアンイーノ)、興行的にはおおごけした。この映画、最初はアレハンドロ.ホドルフスキーが計画してたのだが、あまりにお金がかかり過ぎるということで頓挫した。音楽はピンクフロイド(同意は得ていた)と、かなり興味が惹かれるが結局幻と終ってしまった。そして今、再びの「デューン」。監督はドゥニ・ヴィルヌーヴという「ブレードランナー 2049」を撮った人。これである程度どんな映画かは想像がつく。
舞台は砂の惑星。そこにある貴重な資源をめぐって、宇宙を支配している皇帝とその配下の国の王などの思惑が絡み、そこに収奪される側の砂の惑星の原住民の抵抗運動なども加わりやがて混乱は宇宙までに波及する、予感、といった、中東で繰り広げられている世界を宇宙に広げ神話化したような内容だ。コスチュームも科学技術は相当進んでいるのだがアラビアのローレンスみたいだったり中世の戦士の様だったり、類型的な神話のイメージで、まるでスターウオーズの様。前回の「ブレードランナー 2049」はブレードランナーにタルコフスキー味を加えた内省的な映画だったが、今回も同じようなスターウオーズ哲学版といった趣がある。はっきり言えるのは今回も前作同様興行的にはヒットはしないだろうということ。個人的にはそこそこ面白いと思うが、二時間を超える今回で前編、会話が多くやはり長い。しかしスターウオーズなどに比べれば遥かに見られる。