映画「護られなかった者たちへ」を見る。震災で偶然知り合った孤独な三人を軸に話は展開していく。元々孤児の佐藤健、すでに旦那をなくしていた倍賞美津子、そして震災で母親を亡くした清原果耶(当時は違う子役)が疑似家族のような関係となり、深い絆を深めていくが、やがて老いた倍賞美津子の生活困窮が殺人事件を生み、その捜査に同じく震災で家族を亡くした刑事の阿部寛が絡んでくるという、いろんな話が盛り込まれた映画で、中心にあるのは震災による心の痛み。
映画全体では、それぞれの人物も丁寧に描かれ、いろんな話を散漫になることなく上手くまとめてサスペンスとしても良くできてると思う。ただ殺人事件に至るまでの動機とか、実際の殺人がちょっとテレビドラマ的で、それまでの緊迫した雰囲気がちょっと安っぽくなったのが残念だ。