前回行ったのがいつだったか思い出せないくらいに久しぶりな美術館、「モローとルオー」展を見に行って来た。ご存知のように(とそこまでは有名だとも思わないが)ルオーというのはモローの愛弟子。説明によると師弟関係の中では一番その繋がりが強かった、らしい。モローの代表作、例えばサロメと、ルオーの代表作、輪郭の太いキリスト像などと較べると作風があまりに違うのでその師弟関係が意外に思われるのだが、作品に臨む姿勢などルオーがモローから受けた影響は計り知れない、らしい(説明によると)。
今回の展覧会、どちらかと言うとルオーの作品の方が充実していて(ルオーは汐留パナソニックミュージアム蔵が多いから?)その作風の変化がよく分かるような展示となっている。一方モローは、パリのモロー美術館蔵のものが多く、そう数は持ってこれない事情があると想像される。現地のモロー美術館は遥か昔に一回行ったことがあり、人の少なさとその作品数の多さに驚いた。モロー好きであれば、モロー美術館は絶対に外せない。
松本市美術館は、霙模様の平日にも拘らず結構人は入っていた。多分、ルオー好きが多いからなのだと思う。日本人にはルオー好きが多いというのを聞いたことがあるようなないような。知名度からしてもモローよりはルオーだろう。いずれにしろ、地方で両方見る機会はそう多くはないので、この展覧会は貴重なものではないだろうか。