ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

花火

2007年09月03日 | Weblog


近所に無類の花火好きがいて、8月に入ってから連日
夜の8:45分に上がる花火を、毎晩通りから見てい
たらしい。
30日程やっていたので、それと同程度見ていたこと
になる。
それが昨日で終わった。
さぞかし残念だったろう。
本人にとっては、今年は終わった、という感じなので
はないだろうか。
夏最後の「ミンミンゼミ」も鳴いてることだし、「夏
が過ぎ風アザミ...」のメロディーが一緒になって
頭の中をこだましていることだろう。

そんな花火好きもいれば、方やもう何年も見てないと
いう地元の人間もいる。
そんな代表格の「映画少年Y」が、この前来た。
早速購入したビデオ「アンダルシアの犬」のことを言
うと、しきりに羨ましがって、「売ってくださいよ」
とまで言った。
「保存用で買ったのだから、そりゃあ出来ない相談だ
よ」と言うと「じゃあ、貸してください」と言った。
ということで貸すことになったが、ビデオ屋の隅で、
買い手が現れるかどうか分からなかった「アンダルシ
アの犬」も、多分こちらが買わなければ廃棄の運命だっ
たと思う、それが少なくとも価値あるものとして取り
扱われているのだから、きっと喜んでいることだろう。

「もう一つ買ったんだけど」(私)
「何ですか?」(Y)
「セシルB.ザ.シネマウォーズ」(私)
「ええっ、誰のですか?」(Y)
「知らないの?(ちょっと馬鹿にしている)」(私)
「ジョン.ウォータース」(私)
「ピンクフラミンゴの?」(Y)
「そう」(私)
「そんなのあったんですか?」(Y)
「割に最近のやつで、メラニー.グリフィスなんかも
出てるよ」(私)
「どういう映画ですか?」(Y)
「ハリウッドを馬鹿にした映画で、馬鹿パワー炸裂」(私)
「じゃあ、ケネス.アンガーみたいなものですね」(Y)
「ルシファーライジングの、でもケネス.アンガーって
見たことないんだよね」(私)
「ええっ、見たことないんですか」(Y)
ここでちょっと立場が逆転。

「ビデオもないし、見る機会がないもの」(私)
「高円寺かなんかの小さなところで初めて見たんですけ
ど、衝撃を受けましたよ、こんな世界があるんだと」(Y)
「ああ、それで道を踏み外しちゃったんだ」(私)
ここで再び立場は逆転。

後で「ケネス.アンガー」を確認してみると、「ジョン.
ウォータース」よりは「デレク.ジャーマン」に近いの
ではないかと思われた。
「ジョン.ウォータース」は、下品な馬鹿パワーが魅
力なのだが、「ケネス.アンガー」はもっと耽美的な
もののようだ。
いずれにしろ、現物を見てないので、想像の域なのだ
が、大体においてYの解説は、思い入れが強く今ひと
つ客観性に欠けるので、あてにならないところがある。
それよりこの「ケネス.アンガー」の最初の作品が、
なんと(と言うほどでもないか)「花火」というタイ
トルだった。
全く予期してなかったが、上手いこと本日のタイトル
に結びついた。
こういうことってあるんだね(これは本当)。
コメント