先日のブログ「内藤洋子さん!!」の記事を書いていて、ふと思い出したことがあって、長い間押入れの奥にしまいこんであった「LPレコード」類が入ってる箱を出してきました。
もう25年近く出してないレコード類は立てたまま収納してたので、多分聴けるだろうとは思いますが(だめかな?)、なにしろプレーヤーも古くて、昨年出して試しても動かない状態でしたので処分してしまってます。(皆さんは古いレコードどうされてるんでしょう??)聴くためにはプレーヤーを買ってこなくてはいけませんね。
で、本題に戻って・・「内藤洋子さん」で思い出したのは、「白馬のルンナ」という歌を歌ってらした時期に、映画「その人は昔」に出られてて、私はその映画を姉に連れて行ってもらって見た記憶があって、そして、「舟木一夫さん」歌唱の「こころのステレオ その人は昔 ・・東京の空の下で・・」というLPレコードを実家から持ってきているのを思い出したのです。その映画に舟木さんは出てらしたのかは覚えてないのですが・・
その当時はきっとよく聴いていたと思う北海道の日高地方の若い二人の物語「その人は昔」のLPジャケットから・・
せっかくの装丁も古びて朽ちてしまってページが剥がれてしまってました。そっとページをめくりながら詩を読んでみました。辛うじて歌の部分の旋律が思い出せましたが・・・
松山善三・作 船村徹・音楽 舟木一夫・歌唱
声・宇野重吉 松本典子(共に劇団文芸)助唱 浜百合子
写真・奈良原一高 スクリプト・万理村ゆき子
協力・襟裳岬灯台 広尾町灯台 広尾町役場 帯広町役場 アイヌ音楽保存会・・等の協力で「第二十一回芸術祭参加作品」として制作されたようです。
その人は昔 その人は昔
その人は昔 海の底の真珠だった
その人は昔 山の谷の白百合だった
その人は昔 夜空の星の輝きだった
その人は昔 僕の心の灯だった
冒頭のこの詩はもっと続いてて、舟木さんが歌ってたと思います。
>「その人」に会うまで「僕」は自然より美しいものはないと思っていた。
>百人浜で「僕」が出合った「その人」は、ドサンコの足を洗ってやっていた。
という回想から始まる「こころのステレオ その人は昔」を少し紹介します。
上の左の虹の部分に「空がただれる 夕焼けは 百人浜の海が泣く」という詩が書かれてます。
延々朗読や、対話、歌と続いていきます。
百人浜で出会った「その人と僕」は、東京には夢がある・・と東京に出ます。そして働きながら夜間大学に通いますが、やがて二人はシミだらけの空の下の「東京」で、腐り始めるんです。「その人」に近づいてきた「あいつたち」が現れ、二人は別れてしまいます。
ある日「東京」に疲れ果てた「その人」は「僕」が入院中にボートで羽田の沖に出て行ったきり帰ってこなかったのです。
此処からの詩は、曲がついてたものです。
東京には夢があると
僕が君を誘わなければ
君は日高の山麓で
どこまでも走る馬にまたがり
波うち寄せる百人浜を
走っていたのに~「・・・僕がキミを殺したんだ・・」
「僕」は「その人」と初めてであった百人浜へ帰ってきます。
>いらだつ波の中に一匹の若駒がたって いつまでも
>いつまでも 荒れ狂う海のはてを見つめていた
>あれはキミの化身だろうか
>そういえば その夜僕は 満天の星の下
>白馬の駈けるのを見た あれもキミの化身だろうか
>その人は昔 その人は昔 その人は昔・・・で終わります。
あとがきで、松山善三氏は「心のステレオと呼ばれるように、このレコードが聞く人の心にマグニチュード8くらいの振動をおこしてくれたらいい。(その人)はあなたの胸に住んでいる」と書かれてました。
このレコードについては、宇野重吉氏 松本典子氏ら良心の人々の参加を得てこの作品はひときわその価値を高めることが出来た。とデレクターが書かれてます。
そして、このレコードに収録されてる自然の効果音はみな現地北海道 襟裳岬周辺のロケによる実音である。冒頭の襟裳と広尾の灯台の霧笛 波 風 汽笛 アイヌ 馬 雨にたたかれてこれらの音を撮った夏の日と、中間達が懐かしいと・・・
洋子さんのおかげで思い出せた懐かしの、「歌 対話 朗読 音楽 効果など人間の聴覚に訴え得るあらゆる形式を此処に動員した。」とある、このLPレコードを早く聴きなおしたいと思いました~。(プレーヤー買いに行かないと・・・ )