映画の感想をざっくばらんに、パラパラ読めるよう綴っています。最近は映画だけでなく音楽などなど、心に印象に残ったことも。
パラパラ映画手帖
No972『盗まれた飛行船』~遊び心満載。特撮映画のおもしろさ~
神戸に元町映画館ができて2周年記念とのことで
カレル・ゼマン監督のチェコアニメ特集。
豪雨で家を出遅れ、ちょうどよい時間と足を運んでみた。
1周年のエリセ監督特集より、客数が少なくさびしい。
いきなり冒頭からびっくりした。
古代、中世と、切り絵のような絵と動きのわずかなシーンが
いくつか並べられて、一気に時代が進み、19世紀末。
気球や人力飛行船が並ぶ博覧会のような会場。
5人の少年たちが、ちょっとしたハプニングから、
子どもたちだけで、気球に乗って冒険することになる。
気球が、手書きの地図の上を動いていったり、
海の上では、鯨やあざらしのアップの実写映像の上を気球が飛んでいたり、
実写とアニメ(切り絵)の混ぜこぜ加減がおもしろい。
ノーチラス号のネモ船長まで登場し、
不思議な島で、海賊と戦ったり、
少年たちの冒険旅行が楽しい。
残された両親や大人たちの大騒動もしっかり描かれる。
飛行船の秘密をかぎつけようと、某国のスパイが登場したり、
新聞記者も取材にしゃかりきになる。
軍隊まで出てくるどたばた騒ぎ。
ジュール・ヴェルヌの「神秘島」の特撮映画化とチラシに書かれている。
つくりものの、でたらめさが楽しく、
いかに映像をつないで、おもしろくみせるか、
遊び心満載。
気球のシーンでは、いつも同じ音楽が流れ、
ここまでお決まりだと、かえって楽しめるというもの。
本当に何度も声をあげて笑いたかったが、
意外に、劇場は静かで、お上品なお客さんが多かったよう。
ぐっと笑いをこらえながらも、時折、つい笑い声がでてしまった。
『クラバート』は、以前、高槻セレクトシネマで観て以来。
カラスの不気味な絵が印象的で、
そんなに好きな絵ではないけれど、色づかいはやっぱりきれい。
『プロコウク氏 映画製作の巻』
撮影所にシナリオを持って行ったのに、
足蹴りにされて、放り出されたプロコウク氏。
アコーディオンの男に、アコーディオンの箱とシナリオと取り替えてもらい、
箱の横にレンズと手回しをつけたら、
手回しカメラに早代わり。
映画撮影のため、屈強な男を求む、と広告を出したら、
あちこちから男たちが集まってくる。
管理人だとか警備員とか、いろんな男たちが広告を見るシーンを
フィルムごとの横異動でつなぐ。
シーンが変わるごとに、
パーフォレーション(フィルムを送るための横の穴)が映り、
カメラが、別のフィルム(シーン)へと移る、というのが
おもしろかった。
ラストも、氏がカメラをこちらに向けたら、
観客たちが皆、映画館から一斉に出て行く黒い頭の影が映り、
何事かと思ってしまった。
ユーモアいっぱいです。
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