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帰省雑感。~昔と変わらぬ「人生ゲーム」に悲喜こもごも~

今年のお盆は、小学5年生の甥っ子とずっと一緒に遊んで終わってしまった。
といっても3日間。
バドミントンをやって、卓球やって、UNOをやってといつもと同じ調子。

今回は、父が何かおもちゃをプレゼントしたいと近くのイオンに行ったが、
めぼしいものがなく、
皆で遊べるようにと、甥っ子が選んだのは「人生ゲーム」。
友達の家で遊んで、とてもおもしろかったそうだ。
そういえば、私が小さい時も友達の家で遊んで、えらく楽しかったのをよく覚えている。
昔は、職業なんてなかったと思うのだが、
いまどきのゲームには、職業がある。
医者や会社員という現実的なものから、
魔術師とか冒険家まであるから、夢もあってゲームらしいのだが、
職業を選びそこねると、フリーターにならざるをえず、
せっかく給料のマスがあっても、
そのたびにルーレットを回して、出た数×1000$で、最高でも1万$しかもらえないと、
職業格差を感じてしまった。

しかし、もちろん逆転できるのがゲームのおもしろさ。
うまくいけば、残りの職業カードから好きなのを選ぶこともでき、
そういう時は、ひたすら給料の高いカードを選ぶというゲンキンさである。

家を買ったり、借金したり、保険に入ったり、
結婚して、こどもができて、というのは、昔と変わらない。
このゲームのおもしろさは、昔と同じように、紙幣が7種類もあることだろう。
十万$札から千$札まで、ほかにも、火災保険証書、生命保険証書もある。
両替もできるし、この紙幣のリアルさがいい。

最初にゴールした人が勝ちではなく、一番お金持ちの人が勝ちということで、
ルーレットで、「払う」という指示ばかりのマスに止まってしまい、
お金が全然なく、約束手形もなくならず、
かたや、甥っ子は高給とりで、1万$以上もの紙幣を何枚も持っているのを
横目に見ていると、
私は、いっぱしの大人のくせに、なんだかみじめくさい気持ちになって、
つい戦意喪失めいた愚痴っぽいことを言って、
逆に、甥っ子から「新しいルールをつくろうか」と優しい言葉をかけてもらうという始末で、
全く大人の肩書き返上である。

ゲームの常で、ずっと負けるということもないわけで、
負けるからこそ、勝ちの味もより嬉しく、
甥っ子が、やっとお金持ちになって、ゴールした時に、
満面嬉しそうな得意顔で、
10万ドルの紙幣を何枚も重ねて、うちわのように扇いでいたのが、おもしろかった。

小学5年生といっても、大人しい子で、
甥っ子という親しみやすさから、ついおんぶしてあげたり、
朝から晩まで、ずっと一緒に遊び相手になってもらって、楽しい帰省だった。

帰って、ふと腕をみると、少しやけているようで、
そういえば、日焼け止めを塗る暇もなく、外で遊んでいたせいだと気づいたが、
これもまた後の祭りである。

というわけで、職場や仕事からは
何百万光年以上も遠くに、離れてしまった気分であるが、
明朝、職場に着いたら、すっかりいつものモードに戻ってしまうと思うと、
少しさびしい気持ちにもなる。

今回、甥っ子たちが、少し早い電車で帰った後、
10年ぶりくらいに、実家のピアノをひとりで少しだけ弾いてみた。
母が何事かと驚いていたが、
最近買ったばかりの大好きなベートーベンの「月光」を弾こうとしたが、
音符がまるで読めず、
いちいちドから数えないとわからず、
シャープも4つもあって、1小節弾くのに1分以上かかってしまった。

小さい頃からレコードで何十回も聴いた曲なので、
ヤマ感で、どの音かは覚えているはずなのに、まるで弾けない。
最初の1頁を途中、抜かしながら弾いて、挫折。
ただ、和音の変化が劇的で、
うまく弾けるところがあると、その和音の響きの変化が
とてもおもしろく、心地よかった。
これもコードなのだろうか。
しかし、オクターブ以上の音を弾くところがあったのは、忘れていて、
指を伸ばすのに必死だった。

今回、もうひとつ自覚したことは、私の音感が完全にずれていること。
ソがなぜかファに聞こえてしまう…。
幼稚園の頃からピアノを習っていたし、
中学1年でピアノをやめるまでは、音の聞き取り練習もさせられていたので、
せめて音感だけはあると思っていたが、
なぜか1音もずれているのである。
全く困ったものである。
音楽評への道のりはまだまだ遠いと実感。
でも、やはり、ピアノとちゃちなキーボードでは、まるで音の重みも響きもちがい、
鍵盤の重みを感じたのは収穫だった。

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