goo

No966アンゲロプロス監督特集~神戸元町映画館にて~

神戸の元町映画館にて、毎月数本ずつ、アンゲロプロス監督の全作品上映が始まっている。
今週は、『シテール島への船出』『狩人』。
どちらも初見で、日曜日、2本続いて観たものの
併せると5時間を超える大作で、
不覚ながら、若干、睡魔に襲われてしまった。
7月の連休に、しっかり睡眠をとって、
『旅芸人の記録』をちゃんと観ることができた充実感とは
およそほど遠い。
でも、見終わって、なにかしら、日常とはまるで違う
独特な時間を過ごしたような、満足感がある。

ゆったりとした長回し。
何人かの人々が、おもむろにゆっくり歩いていくシーンが多い。

水の音。
船のシーン、
何十年ものギリシアの歴史、
次々と政権が変わっていく、混沌とした歴史に
翻弄される人々。

ぐるりとゆっくりまわって、元にもどっていくような
円環的な描き方。
まさにここで描かれているのは、
人間の営みであり、
「時」の流れ、刻々と流れていく時間。

ゆるやかで、ゆったりとした、水が陸に打ち寄せる、
ちゃぷちゃぷといった音のような何か
おおらかなもの。

ここには、ちゃんと人間が映っているのだなあと思う。

歌や踊りのシーンも多い。
そこに突然、やってくる銃を抱えた人々。
無言で、凍りつく人たち。
どういう人たちなのか、説明もなく、よく理解はできないが、
何かが起こってしまったことは、わかる。
悲しみや恐怖といった表情さえも、相当に抑制されている。

数年前、『旅芸人の記録』を観た折に
やはり寝てしまって、
今回、観ていて、
どこで目が覚めたのかを思い出した。
ちょうど弟が舞台に立つ前の楽屋での準備のところで、
ほとんど映画の終わりに近かった。
でも、やっぱり、ゆっくりとまわっていくカメラの動きは
インパクトがあり、忘れられない。

何度もそういう睡魔との闘いを感じながらも、
上映の機会があれば、通いたいと
思う、そんな映画たち。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 真夏の夜…つれ... 映画の合間に... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。