日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

NEWS雑感~自分に負けた石川遼

2009-10-19 | ニュース雑感
昨日のプロ・ゴルフ、日本オープンは三者同スコアのプレーオフで最後まで接戦を展開しつつも、最年少優勝を目指した注目の石川遼選手は伏兵小田龍一プロに破れました。18番で優勝決定のバーディ・パットを外し、さらにプレーオフ2ホール目のバーディ・パットが明暗を分けた形でしたが、昨日の石川選手の流れを決定づけたポイントは、6番パー5でのダブルボギーにあったと思います。バンカーショットのバックスイング中、観客のカメラ付携帯電話のシャッター音に腹を立てスイングを中断、クレームを口にした後の仕切り直しショットをミスしたことが最後まで響きました。

「紳士のスポーツ」と言われるゴルフですから、マナーを守らないギャラリーが悪いことは間違いありません。ただそれに対してその場で感情的に声を荒げたというのはいかがなものなのでしょう?注意の仕方は、大会委員を通じてそのプレー後にギャラリーにアナウンスする等、他にもいくらでもあったかと思います。あの場面で、スイングをやめてギャラリーを睨みつけ強い口調でモノ言いをするのは、明らかにプロとして冷静さを欠いた対応だったのではないでしょうか。結果、そのホールのスコアを大きく崩し、感情に左右された流れのまま優勝まで逃してしまったと思えるのです。

私は企業の管理者に対して、「感情的のコントロールこそが管理者の重要な仕事である」と常々クライアント先でお話をしています。管理者は上に立っていると言う比較優位から、部下のミスやルール違反に対して時として感情的な言葉で部下を喩したくなるものですが、これが結果的に自身の判断ミス等を招く大きな原因でもあるのです。石川選手は管理者ではありませんが、ゴルフ界の“人気者”としての対ギャラリーにおける比較優位から来る「慢心」があの場面で出たのだと思います。結果的に、32歳にしてツアー初優勝、「慢心」とは無縁の“苦労人”小田龍一プロに優勝をさらわれたことは実に象徴的でありました。石川遼選手が、プロとして本当の“一流”になって世界に羽ばたくようになるには、まだまだ甘いと思わせられる一場面でした。18歳ですから、これから精神面を鍛えて欲しいところです。

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