日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

<音楽夜話>元ビートルズ3~ジョン・レノン ~愛すべき裸のジョン

2007-12-02 | 洋楽
12月8日から、平和主義者としてのジョン・レノンのニクソン政権との闘いの記録を描いた映画「ピース・ベッド ジョンVSアメリカ」が公開されます。

ジョンは物言うビートルであり、物思うビートルであり、音楽を単に娯楽としてのみでなく幅広いコミュニケーション・ツールとして活用した点において、他の3人のビートルとは一線を隔す存在であったと言えるでしょう。

この映画は、そんなジョン・レノンの平和と人を愛するがゆえの、70年代前半に繰り広げられた姿なき権力者との闘いの記録です。
当時からの洋楽フリークとしては、ジョンから教わったことはたくさんありました。「思ったことは口にしなくては思った意味がない」。私はジョンからそう教わり、それを守ることで自分を少しは成長させる手助けになったと思います。
若い頃、吉田拓郎の「ビートルズが教えてくれた」が好きでした。この歌に歌われる教えてくれたビートルズもジョン・レノンのことでした。
映画「ピース・ベッド ジョンVSアメリカ」は、我々以上の世代の音楽ファンは、是が非でも見なくてはいけない作品のように思えます。

前フリが長くなりました。
そんな訳で、当ブログ3人目に登場のビートルは、ジョン・レノンです。

ビートルズ解散後、アーティストとしてのジョンの流れのおさらいを。
シンガーソング・ライター的に、パーソナルな主張を込めた1作目「ジョンの魂(いわゆるジョンタマ)」。
同じ路線ながらややバンド的アレンジに転じ、ポップに変化した2作目「イマジン」。
より政治色を強め、まさに今回の映画そのままの過激さを増した時期のオノ・ヨーコとの競作「サムタイム・イン・ニューヨークシティ」。
そして、政治色はやや後退したものの、先の「イマジン」の世界をさらに昇華させ平和主義者的主張でアルバム全体を統一した「マインド・ゲームス」。
ヨーコとの別居生活と、いわゆる“失われた週末”の荒れた日々の中から生まれた苦悩の「ウォールス&ブリッジス」。
そして、ヨーコとの復縁後ハウス・ハズバンドとしての隠遁期から復活し、ヨーコとの束の間の幸福感一杯の共作「ダブル・ファンタジー」。

どれもそれぞれに、微妙に危うさを漂わせるジョン特有の味わいのあるアルバムです。私は、詩も演奏も歌もものすごくネイキッドな感触の「ジョンの魂」と、ヨーコを失いかけてハチャメチャな生活を送りながらも、その深く傷ついた心中を切々と歌った失意と渇望のアルバム「ウォールス&ブリッジス」の2枚が大のお気に入りです。

この2枚は、ジョンの置かれた状況は全く異なりますが、彼の永遠のテーマ「ラブ&ピース」の一言だけではくくりきれないその内面を、飾ることなくさらけ出した作品として、非常によく似たアルバムであると思っています。
内面にあったもっとも大きなものは、前者は元ビートルズとしての葛藤、後者は闘争の後虚脱感とヨーコとの別居による孤立感、だったと思われます。

特に「ウォールス&ブリッジス」に収められた何曲かは、ものすごくナイーブなジョンの内面を露骨にさらけ出し、聞く我々にさえ「そばにいて欲しい」と訴えかけるような、渇望感に溢れています。
しかも、このアルバムに収められたそれらの楽曲のアウトテイクスが、彼の死後「メンローヴ・アベニュー」のB面として発表され、そこではオリジナル以上に痛々しいほどにまで“素”のままの“寂しがり屋”のジョンが見てとれるのです。

もちろん彼の死後出されたこの編集盤を名盤であると言うのは、いささかはばかられることろではありますが、その中に見出せるジョンの姿は他では見られないほどにピュアで美しいモノである事は確かです。アルバムとしての価値はともかく、それまで見せることのなかったジョンの姿が間違いなくそこにはあるのです。

「スティール・アンド・グラス」、「ノーバディ・ラブズ・ユー」、「ブレス・ユー」などでは、正真正銘裸のジョン・レノンがそこにいます。
「ジョンの魂」でも見せていた研ぎ澄まされた「裸の元ビートルズ=ジョンレノン」から、ヨーコを取り去ってしまうとこんなにも分かりやすく、元ビートルズは関係ない「ひとりの裸の人間=ジョンレノン」になってしまうのですね。

あまりに早く逝き過ぎたジョンは、アーテストとしても我々にごく限られた一面だけしか見せる時間しか持ち合わせていませんでした。彼が、その後も生き続けていたならばこの30年弱の間に、どんな別のアーティスティックな一面を、どんな人間的な一面を見せてくれただろうか、何をまた教えてくれただろうか、今もこのアルバムを聞くにつけ本当に興味が尽きないのです。

なぜか毎年、寂しい風が吹き始めるこの時期になると「メンローヴ・アベニュー」のB面を聞きたくなります。
今年もまたもうあと少しで、12月8日、ジョンの命日がやってまいります。


最後に本日の競馬コメント。
本日は、阪神ジュベナイルフリーズというやけに言いにくいGⅠレースです。
2歳牝馬のナンバーワン決定戦というわけで、まぁ小学生の女の子の“かけっこ競争”ですから、荒れて当たり前ですよね。

昨年このレースを勝ったのが今年のダービー馬ウォッカでした。4番人気でした。

以前の阪神三歳牝馬ステークス時代からの経験則で、「1600以上距離経験」「中央場所牡馬との対戦」が気になるところです。

荒れる前提で、上記経験則から⑦マイネルブリッツ。複勝と人気馬へのワイドで。

おまけ情報として、開幕週の阪神は先行有利。新阪神1600は内枠有利です。


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