日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

<音楽夜話>“レジェンド”に接したビーチ・ボーイズ来日公演

2010-01-30 | 洋楽
一週間ほど前の話になりますが、マイ・フランチャイズ「ビルボード・ライヴ東京」でビーチ・ボーイズを見て参りました。

05年にフジ・ロック出演はあるものの、単独ライヴとしては18年ぶりの来日であったとか。ストーンズやフーとは全く類いは違うものの、60年代において英国のビートルズと並び評された米国の現役ロック・レジェンドであることは間違いなく、ビートルズの名作「サージェント・ペパーズ…」は彼らのアルバム「ペット・サウンズ」に触発されて産み出されたというのは有名なお話です。そんな彼らもメンバーの脱退や死去により、今やビーチ・ボーイズと呼べるメンバーはわずかに2名。世間には「ウイルソン3兄弟抜きで今さらビーチ・ボーイズでもなかろう」というご指摘があろうことも重々承知の上で、リード・ボーカルのマイク・ラブ健在ならば“見る価値あり!”と参戦を決めた次第です。メンバーはそのマイクと、キーボードのブルース・ジョンストン(この人はソングライターとしても有名で、バリー・マニロウのNo.1ヒットでグラミー賞最優秀楽曲賞受賞の「歌の贈り物」は彼のペンによる名曲です)、あとはバックメンがギター、ベース、ドラム、キーボード、パーカッションという面々でした。

演奏曲は彼らのヒット曲の数々をまんまあの時代のアレンジで聞かせるヒット・パレード状態のライヴで、盛り上がることこの上なし。まぁ、ブライアン・ウイルソン時代の「グッド・バイブレーション」はさらりと流して、ブライアン脱退後放った80年代のNo.1ヒット「ココモ」をラストに持ってくるあたりは、60年代から40年以上にわたり一貫してビーチ・ボーイズとして歩んできた2人のプライドを垣間見た思いでした。何よりも風貌こそすっかりおじいちゃん状態のマイク・ラブでしたが、歌声は間違いなく我々が慣れ親しんだビーチ・ボーイズのそれに相違なく、それだけで「本物」を感じる喜びに浸らせてもらえるライヴでありました。「アイ・ゲット・アラウンド」「ヘルプ・ミー・ロンダ」「サーフィンUSA」「サーファー・ガール」…、アンコール・ラストの「ファン・ファン・ファン」まで、演奏がどうだとかコーラスがどうだとか、難しいことを一切忘れて理屈抜きで楽しめるステージに超満員の会場は大盛り上がり大会。チケットの価格はけっこう高価ではありましたが、帰りのロビーは「本物」に接して満足顔のオジ&オバで溢れていました。

間もなく69歳になるマイク・ラブと67歳のブルース・ジョンストン。ベテラン・アーティストのステージを見るといつも思うことですが、いつまで現役でステージを務められるのか、また再び日本に来ることはあるのか…。彼らもまたそんな点において何の確約もとれない大ベテランですから、今の彼らをビーチ・ボーイズと認めるか認めないかではなく、ロック創世記の“生き証人”としての生の姿に接することの価値の大きさを実感することにこそ大きな意味のあるライヴであると思うのです。彼らの大ファンである大瀧詠一氏や山下達郎氏が今回の来日ステージを見ていたとすれば、きっと私と同じ思いでいたことでしょう。

次なる“レジェンド”の来日は、3月遂に実現するライヴ・ハウスでのボブ・ディランです。高額なチケット価格に行くか行くまいか迷っている人がいるようでしたら、「迷わず行けよ!」とアントニオ猪木よろしく自信をもって申し上げます。見に来た人たちを必ず満足させてくれる、それが“レジェンド”たちですから。

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