日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

〈70年代の100枚〉№16 ~ 奇蹟のグループ奇蹟の名盤

2008-04-05 | 洋楽
クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング、俗称CSN&Yの超名盤「デ・ジャブ」です。

№16 「デ・ジャブ/クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング」
事の発端は、元バーズのデビッド・クロスビーと元バッファロー・スプリングフィールドのスティーブン・スティルス、元ホリーズのグレアム・ナッシュの3人が68年にCS&Nを結成し、翌年のデビューアルバム「クロスビー・スティルス・ナッシュ」が大ヒット。70年に、元バッファロー・スプリングフィールドのニール・ヤングが合流してCSN&Yとなり、リリースされたのが奇蹟の名盤「デ・ジャブ」です。

4人が4様の楽曲を持ち寄り、4人が4様のボーカルを聞かせ、4人が絶妙のコーラスワークを披露し、2人のギタリストが火花を散らす・・・。あらゆる意味で、60年代に登場したフォーク・ロックのジャンルにおいて、ひとつのかけ離れた頂点を極めたバンドの唯一無二の最高傑作がこのアルバムでした。

4人が2曲ずつを持ち寄った8曲に、スティルスとヤングの共作1曲とジョニ・ミッチェル作の1曲を加えた全10曲。クロスビーの「カット・マイ・ヘアー」、ナッシュの「ティーチ・ユア・チルドレン」、スティルス「キャリー・オン」、ヤングの「ヘルプレス」と各提供曲は、大半がその後の4人の4半世紀以上にわたる音楽活動の代表曲に数えられているということからも、このアルバムのものすごさが分かろうと言うものです。しかも、絶妙のコーラスワークがあるからこそ、単なるスーパースター達のソロ作の寄せ集めにならずに、CSN&Yという歴史に残る奇蹟のバンドを記憶させるに十分なまとまりをイメージさせたわけでもありました。

アルバムは70年5月に見事に全米№1に輝きます。全米TOP40もまだ番組スタート前で、私個人も本アルバムを聞いたのはリアルタイムではなく、リリース数年後のことでしたが、初めて聞いたときの衝撃はいまだに忘れられません。CS&Nの3人でリリースしたどのアルバムも、フォーク寄りなイメージが強目に出ているのですが、なぜかこのCSN&Y4人のアルバムだけは、“フォーク的”を感じさせない独自の音楽が展開されており、まさに4人のエネルギーがぶつかり合って起きた化学反応が、“バンド・マジック”を生み出したと言ってよいと思います。

バンドはその後ライブアルバム「4ウエイ・ストリート」を発表するも、強い個性のぶつかり合いから結局解散。18年後および29年後に、同窓会的再結成アルバムが2枚出されましたが、当然奇蹟は再び起こらず・・・。解散後のニール・ヤングの突出した活躍に裏づけされた、他の3人とのテンションの差は如何ともし難く、2000年のライブ・フィルムなどで見ると、バリバリ現役のニール+老人ホームオヤジ状態の3人の様相で、同じステージに立つには違和感すら感じさせられる状況ではありました。

現状はどうあれ、70年代の音楽シーンを語るときに決して欠かすことのできない1枚であることは確かです。

<余談>
昔流行った日本のバズというグループの「ケンとメリーのテーマ~愛と風のように」という歌、今聞くとアレンジ、コーラス、曲調、完璧にCSN&Yのコピーです。歌なんか、笑っちゃうほどニール・ヤングしてます。
※「ケンとメリーのテーマ~愛と風のように」
http://jp.youtube.com/watch?v=bObIXBo0p24