今夏2回目の猛暑シリーズがたけなわだった17日に二つの注目すべき事象があった。
一つは、ようやくツクツクボウシの初鳴きを聞いたことだ。例年は8月10日ごろ、昨年は8月1日にツクツクボウシの初鳴きを観測したので、今年はかなり遅い。ツクツクボウシが鳴き始めると、夏は一気に終局にまで駆け下りていく。この流れは誰も止められない。
もう一つ。昼間のうだるような暑さを夜間にまで持ち越すかにみえたのだけれど、夜渡る風が強く、なおかつひんやりとした冷気を帯びていたのが意外だった。「おや、これは、秋の先触れか?」と思わせる冷気だった。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる」という藤原敏行の歌にあるように、風のもたらす冷気は確実な秋の使者なのだ。
春先に吹く強い風を「春一番」といって、春の使者と例えるのが一般化しているように、夏場に冷気を含む風を「秋一番」と呼んだらいかがだろう。 (2011/8)
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