路の途中

35歳からジョギングを始め、今もゴールを目指してさまよい続ける市民ランナーの記録。

野辺山完走記⑦ 完結編

2010年05月26日 04時59分24秒 | Weblog
 ゴール後、他のランナーのゴールに声援を送りに行く。制限時刻は午後7時。私のゴールした時刻ぐらいから薄暗くなってくる。13時間以上走ってきたランナーに、残された時間はあと、10分。
「後10分です。この声が聞こえてますかぁ。」
とアナウンサーの声。
「後10分あれば2㎞は走れます」
「そりゃ無理だろう」
と1人でつっこみを入れながら、それでも応援する。
ラスト5分。T君が帰ってきた。ランナーでも(甘党でも)ないのにこの大会のために、減量し、練習し13時間55分かけて100㎞の道のりを自分の体を運んできたのだ!私も勿論、甘党のメンバーも驚嘆&感動だった。
「おめでとう」
と背中を押した。ゴール後、チップをはずしてあげよう、おそばを渡してあげようと、ゲート付近に行ってみるもT君は忽然と姿を消していた。いくら探しても見あたらない。
「何処に行ったのだろう?」
モコさん・かおちんも
「背が高いから、立っていたら解るのに」
と座っている人や寝ている人を探すが見あたらなかった。
 荷物を受け取り、駐車場に向かい、うめさんに完走の報告とT君ゆくえ不明を伝えると、「探してきます」と探しに行ってくれた。
 駐車場に帰ると疲労と睡魔のため車内にて仮眠。1時間ほどして、T君も車の中で休んでいるのを見て安心。すぐには帰れないとのことなので、各自のペースで帰宅することとし、野辺山を後にする。
 出発直前、寒さを感じながらトイレに行くと、体が硬直するような奇妙な感じ。まともに歩けなかった。昼間暑かったので発汗によるミネラル不足か?兎に角尋常じゃない感覚。車に戻り、体を温めるとなんとか運転は出来そうだった。
 ナビで調べると、中央道の方が近そうだったので、中央道経由で帰宅することに。途中のPAでカツカレーを食べて補給し、さらに渋滞20㎞以上と出ていたので仮眠をしてやり過ごし、am1:00頃帰宅。朝は4:00には起きて、朝一の書類を提出するために5時半頃には出勤して仕事を始めた。(我ながらどうしてこんなことができるのか?と不思議)

 さて、今回の野辺山を振り返ってみると3つ程のポイントがあった。

 1つめはT君。
 参加表明をしたときは、半信半疑。
 申し込みをしたと聞いたときには「大丈夫か?」
 東京タワーからの帰宅ラン30㎞でへばっていたときには「野辺山完走は無理でしょう」
 海まで50㎞1人ランをやり遂げたときには「普通の100㎞だったら完走できたかも知れないのにねぇ」
 直前1週間はT君に向けた「ブログ 野辺山完走に向けてシリーズ」
 レース中は50㎞過ぎまでT君のがんばりに刺激されマイペースを崩してしまい、後半失速(わたしがね)。
 制限時間5分前のゴールに感動を貰った。
 今年の野辺山は、T君のがんばりから、人の可能性を再認識させられました。

 2つめは仲間。
 走友会のうめさん、モコさんとT君の4人で野辺山入り。これも初めてで楽しかった。甘党の方々と1年ぶりの再会。かおちんとはレース中には会えなかったけど前夜祭や完走後にエネルギーを貰いました。本当にみんな素敵な人達で野辺山では勿論、他の大会でもご一緒できればなと思います。(でも、なかなか出来ないんだよなぁ~)

 3つめは、・・・。
 自分の今年の収穫としては・・・。うまく言えないのだけど「声かけ」かなぁ。
 昨年までも、50㎞過ぎにいろいろなランナーに声をかけて疲労やつらさや不安やらを紛らわせてきたけれどそれらとは少し違う声かけを周りのランナーにした。ちょっとだけ意識的に。
 例えば、辛そうに足を引きずるように走っている71㎞のランナーに、
「あと11㎞で完走ですね!頑張りましょう!」
歩いている71㎞のランナーに、
「ファイト!行けますよ!」
とか。
 昨年、100㎞にエントリーして87㎞エイドでリタイアしたという人にも
「今ココにいれば必ず完走できますよ。頑張りましょう!」
とか。
 自分は勿論だけど、周りのランアーも一緒に前向きに頑張れるような「声かけ」をすることが出来た。みんなで野辺山を盛り上げようよ!という気持ちが少しずつ表現できてきたのかなぁ。なんて言ったって「運命共同体」意識があるから。
 そして、声かけした人が1瞬でも元気になると、こちらもエネルギーがもらえる。素晴らしいことだ。素晴らしい体験をさせてもらった。だから、

「必ず来年も 野辺山に出て 声かけをして 完走したい」

 最後まで読んでくれた あなた。
 ありがとうございました。
 これにて、野辺山完走記は完結させて頂きます。(来年に続く)