路の途中

35歳からジョギングを始め、今もゴールを目指してさまよい続ける市民ランナーの記録。

野辺山完走記⑥ 87㎞からゴールへ

2010年05月25日 05時39分28秒 | Weblog
「87㎞のエイドを越えたら、ラストスパート」
そのような、ファイトプランはこの段階ではもう望めなかった。
ただ、「時間内完走をする」その気持ちだけは強く持っていた。
エイドを出て、とことこ走る。少し行くと、ラストのだらだら上りが見えてくる。
「あそこのテントまで歩かずに走ろう。きっとエイドだ。」
と思ってたどり着くと、90㎞のチェックポイントだった。
この後は、時計をにらみながら、
歩いたり、走ったりの繰り返しだった。
「このまま歩き続けたらオーバーする。」
 とか、走ってから、
「もう少しあるいても大丈夫だ。」
 とか、の繰り返し。
前の人をターゲットにして、
「あの人を抜かしたら歩こう」
とか、なんとか自分の目の前に小さな課題を設定して走り続ける。
 いよいよ、97㎞のエイド。最後のエイドだ。もう歩いても、時間内に完走できる。でも、
「歩かない。ラストは走る。」
これは、ランナーとしてのプライド。87㎞からのラストスパートや自己記録の更新は叶わなかったが、ラスト3㎞歩かずに走り続けられたら自分の中で

「今日は勝ち」

 と決めた。
 周りは歩いている人が多い。自分の脚もきつい。でも、周りと比べるのではなく、これは、
「自分との闘いなのだ」
とても解りやすい。ラスト3㎞走り続けたら自分に勝てる。自分に負けたくはなかった。
そして、ラスト数百㍍。この辺りで、応援する地元の人が、
「おめでとうございます」
「完走おめでとうございます」
とたくさん声をかけてくれる。とてもありがたいと思う一方、違う、まだ完走していない。まだ、戦っている
という複雑な思いで、
「ありがとうございます」
と応えた。
ラストの坂では、モコさんが見えた。甘党の仲間に私の到着を告げているように見えた。みんなが祝福してくれる。あと少しだ。ゴールゲートをくぐる。昨年の記録には5分程届かなかったけど、3年連続時間内完走をやり遂げた。安堵でいっぱいだった。そして、自分に勝った。
 ゴール後、メダルをかけた貰い、そばと豚汁を頂きながら今は安心感でいっぱいだった。

 次回、「ゴール後」で終了かな?