鉄の歴史館を見た後、同じ道を変えるのは芸がないということで、海沿いを鵜住居(うのすまい)まで北上し、県道35号線を帰ることにしました。鵜住居は東日本大震災でも大きな被害があった地区。海沿いには大きな水門と堤防があり、街中には復興住宅なのか、新しいマンション的な建物がいくつかあり、大曲よりも高い建物が多かったような気がしました。
このルートを選んだ理由は、県道の途中、ちょうど釜石鉱山の北側にあたる場所に釜石製鉄所の基礎を作った橋野製錬所跡があり、数年前に「橋野鉄鉱山跡」として「明治日本の産業革命遺産群」の一つとしてユネスコの文化遺産に登録された場所があるためです。
入口にインフォメーションセンターがあるのですが、閉館4時半。他で時間を使い過ぎて、到着がギリギリ4時になってしまいました。ザっと中を見回しましたが、目新しいものはなさそうで、少し話を聞かせて頂いて、現地を視察。江戸末期にここで鉄鉱石を使った鉄精錬の基礎技術の開発が行われ、それが釜石製錬所や九州の八幡製錬所で生かされて、大規模に生産されたいわゆる日本の近代鉄鋼精錬の発祥の地とも云える場所。江戸末期までは古くから日本で使われた砂鉄を主材料にした「たたら製錬」が主力で、その遺跡は岩手県南部の栗木鉄山跡や大東町のたたら製鉄資料館、青森県八戸から久慈にかけての南部鉄器の生産地区などで見ることが出来ます。
高炉跡は3基あり、残っているのは基礎の土台石のみ。この上に炉がついて、フイゴ(空気送風装置)などもあったとのことですが、なかなか想像するのは難しいかも。エリアの奥には鉄鉱石を露天掘りした跡も残っているとのことですが、そちらは立入禁止エリアになっています。
ここの名称も鉄鉱山とするより高炉跡とした方がインパクトがあったのではと思い、センターの方に話したら、文化遺産登録の際に鉱山部分も入れるためには鉄鉱山んとする必要があったとのことで、大人の事情のようでした。
本日、鳥海山、岩手山で初冠雪となったそうです。また八幡平山頂近くの駐車場でも積雪が見られたとのこと。これから来られる方はお気を付けください。
一時
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます