壬生の政局やいかに…

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『真夜中のカウボーイ』

2012-10-19 07:41:32 | Weblog

 

『THE MIDNIGHT COWBOY』は、1969年度アカデミー賞3部門に輝く、アメリカン・ニューシネマの傑作です。高校生の頃、今はなき栃木会館の映画鑑賞会等以来、“秀作”との印象は抱きつつ、久しぶりに同作品を観ました。--「大都会ニューヨーク。自慢の身体を武器に、一旗揚げるべく、テキサスからやって来たジョー(ジョン・ボイト)。だが現実は厳しく、したたかな都会の女たちに逆に金を取られ、孤独感に襲われる中で、ジョーはラッツォ(ネズ公=ダスティン・ホフマン)と呼ばれる小男と出会う。肺を病み、片足が不自由なラッツォの夢は、太陽が輝くマイアミに行くこと。いつしか奇妙な友情で結ばれたふたりは、大都会の底辺から必死で這い上がろうとするが…」。さらにクレジットには、「主演のホフマンが、前作『卒業』とかけ離れた人間を抜群の演技力で披露し」とあるとおり、本来重厚な声を小男ならではの、ゆうなら“ネズ公”っぽい発声にし、また常に何かを企んでいるような狡猾さが、そのしぐさから伝わって来ます。ボイトも、女性との逢瀬を夢見ながら「俺はひょっとしたらホモなのかも」と煩悶する、ヒトのいい田舎者ジョーを的確に捉えています。以前視た際、フロリダ行の車中でラッツォが、泣きながら「(小便)漏らした」とジョーに告げるシーンで、なぜか私も泣いていました。そして今回も泣きました。明日なきふたりの絶望感のようなモノに、いつの間にか自分の魂が揺すぶられていました。やるせないテーマとは裏腹に、作品自体のみずみずしさ、美しい映像など、これは“傑作で”です。あっ、それから、ボイトの唇はアンジェリーナ・ジョリィーを彷彿させます。父娘だから当たり前ですが…。


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