先日、塩谷町の「クローバーハーツ 癒しの夢工房」にお邪魔をして参りました。2006年オープンの同所は、15㎡の空き店舗を利用し、「精神に障がいをもつ子供たちが自立して生きていける道を」と、焼きたてのクッキーやラスク、小物の販売・接客を通し社会復帰を目指す、県内でも珍しい“自助・自活”の施設です。鮮やかなイエローの建物の窓にはイラストが描かれ、ウッドデッキから店内に入ると、温かい雰囲気に満ちています。当日は休業日でしたが、代表の森田和子さん、事務局長の植村健一さんの歓待を戴き、奥6畳の交流の場「居場所」にて先駆的な取り組みを拝聴しました。「クローバーハーツ」は2004年に発足した精神障がい者の自助グループです。立ち上げのご苦労は並大抵ではなかったそうです。でも「黙っていては何も解決しない。当事者が少しでも報われる環境を創りたい」と、町を一軒一軒歩き、当初は微々たる反応でしたが、そのうち周りからも「頑張って下さい」と声をかけられるなかで、2年を経た今では当事者14名、10名を越えるサポーターがここを拠点にしています。福祉施策――特に精神障がいの分野においては、行政の“措置”をひたすら待って日が暮れるというのが、多くの自治体で見られる状況です。壬生町においても、例外ではありません。植村さんは「僕たちが楽しめる場所は、病院ではなく、ここ『クローバーハーツ』と言ってくれることが喜び」と話します。森田代表も「自らの体験をもとに、他の地域の家族の方にアドバイス出来れば」とおっしゃって戴きました。壬生町は、独自の家族会による活動も乏しく、言わば“五里霧中”の状態です。そのなかで、当事者及び家族は、私など決して知り得ない心労と不安を携えながら生活しています。厳しい実状を少しでも切り開いていけるよう、「クローバーハーツ」で伺った貴重なお話も含め、6月27日の議会一般質問において、まず突破口として「精神障がい者施策を問う」と題して登壇致します。当日午前の部は、消費者友の会20名程が傍聴に来られるそうです。まずは他の2障がいに比べ施策の遅れが目立つこと、そして現状把握ならびに周りの理解の促進に向けた形で、皆が支え合う“クローバーハーツ”を胸に、拙いながらも提言をさせて戴きます。