「徹底した思想管理体制のもと、書物を読むことが禁じらた社会。禁止されている書物の捜索と焼却を任務とする消防士のモンターグ(オスカー・ウェルナー)は、偶然出会った可憐な女性クラリス(ジュディ・クリスティ)の影響で、本の存在を意識し始める。やがて、活字の持つ魔力の虜となったモンターグ。だが、彼を待っていたのは、妻リンダ(クリスティ2役)の冷酷な裏切りだった…。レイ・ブラッドベリの傑作SF小説を、名匠フランソワ・トリフォーが映画化。詩的でウィットに富んだ語り口で、恐るべき未来の姿を描き出す。のちに監督となるニコラス・ローグのカメラワークも美しい。タイトルは、書物に火がつき燃え上がる温度を意味している」――。解説はずれにせよ、まず目を見張ったのは、映像の美しさです。1966年ですから、私の2歳の頃の作品ですが、時代を感じさせません。モンターグとクラリスが出会ったモノレールは、当時の最先端技術。また、人々が夢中になっている、交信できる大きな画面のテレビは、さながらフル・ハイビジョンの先駆けのようで、素敵です。ジュデイ・クリスティが演じる2人も、ともに美しく、映像に華を添えています。ブラッドベリの原作の秀逸さもさることながら、やはりトリフォーならではの演出が光る名作です。必見の価値あり!!