ヌマンタの書斎

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過渡期の日本サッカー

2022-06-14 11:58:47 | スポーツ
サッカー日本代表の試合を久々に視た。知人宅でのネット配信なのだが、知人自慢の大画面モニターは確かに自慢するだけのことはある。

もちろん視たのはブラジル戦である。結果は0―1での惜敗である。その前の韓国が1―5で敗戦しているので、日本は良くやったと報じる向きもある。

そんな単純なものであろうか。

森保監督の意図は明確だ。とにかく守れである。そのため選手たちは一丸となって徹底的に守った。実に退屈な試合であり、たまに攻めてもシュートは枠に飛ばない醜態である。失点も反則を取られて末のPKである。

一方、その前の週に大敗した韓国だが、こちらはけっこう攻めていた。5失点はいただけないが、攻めた上での敗戦であり、案外と選手は納得しているかもしれない。

実際、ブラジルのマスコミには韓国を日本よりも高く評価する記者もいた。また日本のサッカー出身の評論家にも、日本の守るだけの試合ぶりを批難する発言があった。

私の評価は少々複雑だ。日本の実力を考えれば、ワールドカップの本戦では守備一辺倒が予想される。勝機はカウンターによって隙をつくのみだ。だからこそ、ブラジル相手にPKの一失点で抑えたことは評価は出来るが満足は出来ない。あれだけ守るのならば、無失点でこそ合格だ。

攻めなかったことを批難するのは情理的には共感できる。でも、今の日本の選手でブラジルのゴールをこじ開ける実力ある人っているのかな?

正直に云えば、日本のサッカーの実力は、まだまだ低い。優秀な監督の指導があれば、攻めて勝機を見出すこともできるかもしれないことは、過去の実績からも分る。でも守り切れない弱さが、上位に進出できない理由でもある。

つまり、攻めだけでなく守備もまだまだ世界の第一級には及ばないのが現実だ。まして選手だけでなく、指導者層のレベルアップを考慮しての日本人監督の起用である。勝つためだけなら、優秀な外国人監督を連れて来れば、そこそこの結果は出せると思う。

でも、それでは日本サッカー界最大の課題の一つ、すなわち指導者層のレベルの低さは解決されない。単に試合を勝つだけではダメだと考えたからこその森保監督である。

その意味では、守備に重点を置いた試合をしたことは評価していい。決して楽しい試合ではないが、まだまだ発展途上の日本には必要な過程である。日本は強くなっている。それは確かだと思う。

今回の試合をみていても、また現在ウズベキスタンで行われているU23の試合を見ても、本当に上手くなっていると痛感する。しかし、まだまだ世界のトップレベルには遠い。五段階評価でいえばC+程度だと考えている。

その意味で守備に偏重した退屈なサッカーをした森保監督の考えは正しい。しかし、PKとはいえ失点したことは大きなマイナスだ。このあたり、まだ選手間では十分理解されていないのかもしれない。

まァ一番分かっていないのは、派手な紙面作りのネタが欲しいだけのマスコミ様でしょうけどね。
コメント
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