ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ある日突然に

2022-06-03 12:00:26 | 日記
死ぬ前に会っておきたかった。

少し前になるが、メールでいきなり後輩の死を知らされた。一つ下の奴で、大学時代はいくつもの合宿を共にした仲である。特段親しくもなかったが、後輩のなかでも高く評価していた。

正直、体力はあまりある方ではないが、気が利くというか、配慮の出来る奴で、大概の厄介事も片づける仕事の出来る奴だった。こいつは出世すると思っていたが、運が良いのか悪かったのか、就職先は都銀であった。

バブル期直前に入行し、バブルに過度に踊ることもなく、またバブル崩壊後もリストラされることなく生き残っていた。激務であることは知っていたし、当人はわりと素っ気無いというか、割り切りの良すぎる奴なので、社会人になってからは疎遠になっていた。

ただ義理堅く年賀状などのやり取りはしていたので、その転勤先の移り変り具合から、上手く組織のなかを泳いでいるらしいと推測は出来た。過疎地へ飛ばされることもなく、さりとて激務の都市部に行くこともない無難な出世街道を歩んでいるかに思えた。そろそろ定年を迎える年頃に、しっかりと地元に戻ってきていたので、近々会えるかなァと思っていた矢先だった。

コロナ禍なので、家族葬であったようで、まだ墓参りにも行ってない。ただ、同期からその最後は突然死であったと聞かされて、暗然たる想いに駆られた。直接確認した訳ではないが、その最後の状況から心不全ではないかと思う。

なんだよ、俺と同じじゃねえか。

違いがあるとしたら、私が若い頃から難病に苦しんだおかげで病院通いが多く、心臓の病気も早期に発見でき、かつ対処も速かったことだろう。

おかげさまで私の左胸にはICD(除細動器)が埋め込まれているので、春先に心室細動で危なかった時も、知らぬ間に助けられている。せめて正月に会えていたのならば、なにか助言できたかもしれない。

妄言だと分かっている。実際、私自身、自分が救急車で運ばれてICU(救命救急センター)に入れられるまで、さほど危機感がなかった。1月に緊急外来を受診した際に、医者からICDの埋め込み手術を奨められていたのに、仕事に戻ることばかり考えていた愚か者である。

だから、突然死を迎えた後輩も私と似たり寄ったりなのだと分る。誰しも自分が突然死を迎えるなんて想定はしていない。せめて私の悪戦苦闘ぶりを事前に伝えられたのなら役に立っただろうか。そんな想いが拭いきれない。

コロナ禍が落ち着いたら、WV部の連中と久々に会って飲みたいなァ。まァ私はノンアルですけどね。
コメント (2)
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