ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

パイナップル騒動

2021-03-16 11:46:00 | 社会・政治・一般
日頃、夕食は自炊することが多い。

基本的にはご飯と魚、味噌汁、副菜で済ませている。魚はスーパーで売っている一人分の刺身が多いが、切り身を塩焼きしたり、湯煮にしたり、あるいは煮付にして頂く。味噌汁は具材に重点を置く。もっぱら季節の野菜が中心であるが、シジミやアサリを使うことも多い。

副菜だが、これはその日の気分次第。納豆が多いが、海苔と佃煮であったり、浅漬けであることもある。同じものを連日食べるのは嫌いなので、頻繁に変えている。

でも偶には肉が食べたい時がある。そんな時は、ご飯抜きで肉と野菜だけにする。同時にデザートとして添えることが多いのが、パイナップルやマンゴーなど肉の消化を促進するフルーツだ。

マンゴーはけっこうお高いので、パイナップルが多くなる。ところが、ここ最近、そのパイナップルの様子がおかしい。なぜだかフルーツ売り場の一区画が空っぽで、「台湾産パイナップルは完売です」との紙が貼ってあった。

ちなみにフィリピン産があったので、そちらを購入したが、はて、なんなのだと思っていた。週末あれこれネットで時事系のサイトを巡ってようやく謎が解明された。

この時期、TVは観ないし、報道系のサイトも週末限定でしか観ないので知らなかった。台湾産パイナップルは従来シナへ輸出されていたが、害虫排除を口実に規制されいたようだ。そこで日本が台湾農家の窮状を救うため、急遽パイナップルを輸入したらしい。

けっこう美味しいらしいが、それ以上にシナの嫌がらせに反発した日本人が、わざわざ台湾産を指名して購入していたため、台湾産だけが完売していたようなのだ。

日本人には台湾贔屓というか、反日を露わにしない台湾に好意的な人が少なくない。また近年横暴が目立つ共産シナに対する反感もあるからこその台湾産パイナップルの購入なのだと思う。

それはそれで構わない。ただ、国と国との関係をお友達関係の延長と捉える人がいたら、それは違うと思う。

台湾という国は、かなり複雑で一筋縄ではいかない曲者だ。元々は、ャ潟lシア系と思われる原住民がいたらしいが、漢代の頃から少しずつシナ人が移り住み、それは明末の頃にかなり大規模なものとなる。そのせいで原住民は山岳地帯へ移り住み、年々数を減らしている。

一方、シナ(清朝)の朝貢国であった台湾は、日本との戦争に敗れた清朝から統治権を譲り渡され、大日本帝国の管理下におかれる。しかし、第二次世界大戦での日本の敗戦後、大陸での内戦に敗れた蒋介石が逃げ込んできて、今日の台湾政府(中華民国)となる。

元からいたシナ人を内省人と呼ぶのに対し、蒋介石と一緒に逃げ込んできたシナ人を本省人と呼び、両者は基本あまり仲が良くない。ただ共産シナの軍事的圧力下にあるので、両者は協調しているので、余計にその実態が分かりにくい。

実質的にアメリカが擁護しているので親米的ではあるが、全幅の信頼を寄せるほどの甘ちゃんではない。コリアとは異なり、親日的な態度をみせるが、漁業問題では、いつも対立しているし、日本を避難先程度には重要視しているが、常に冷静な距離をとる。

共産シナと対立しているのは確かだが、投資など経済面での結び付きは深い。白と黒に二分するのではない、大人の外交をみせる国である。強大なシナに圧迫されている一方で、露骨な対立姿勢をみせないが、軍事的な警戒は常に怠らない。

アメリカが覇権国として世界を圧している現状でこそ、親米的な姿勢を見せるが、シナがアメリカを優越したのならば、素早く態度を変えると思われる。

世界中を混乱に貶めたコロナ禍に対して、最も冷静に、かつ効果的に封じ込めた国でもある。おそらく危機管理が国家の隅々まで行き届いているのだろう。

今回のパイナップルの件で、日本は台湾を助けて上げたなどと考えているとしたら、それはちょっと待てと言いたい。

共産シナ政府は、「日本め、邪魔しやがって」と日本を恨んでいるだろうし、台湾は経済的損失を埋め、なおかつ新たな販路も拓き、その上にシナ政府の恨みを逸らすことにも成功している。

これぞ大人の外交ってものだと思いますよ。

コメント
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