ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

奈良のシカ

2021-03-15 11:27:00 | 社会・政治・一般
奈良のシカを殺害した男性が捕まったとの報道に驚いた。

神様の使いとして扱われている奈良のシカだが、素手の人間風情に簡単に殺されるほど軟な生き物ではない。変に思い詳しく報道を読んでみたら、刃物で殺していた。車を傷つけられた腹いせだそうだが、正直こんな人間とはお近づきになりたくない。

それはともかく、現在はコロナ禍のせいで観光客が激減している。世界的にも有名な奈良のシカたちは、さぞや腹をすかしているだろうと考える方もいるだろうが、それは大きな勘違い。

シカの主食は草木であり、名物のシカセンベイはオヤツ程度である。

ところが、どこにでも善意で勘違いする馬鹿はいるようだ。この観光客不足で、奈良のシカはお腹をすかしていて可哀そう。だから、私がお菓子をあげるのよと、人間用のお菓子などを与える人が実際にいたらしい。

馬鹿たれが!

雑食性の人間と異なり、草食動物であるシカには、人間用の食事が有害であることが少なくない。またパンやお菓子なども食べるだけでなく、その匂いを覚えてゴミ捨て場でビニール袋ごと食べる事件が頻発している。

その結果、路上に死んだシカの遺体が年に数件発生している。慌てた奈良市役所及び県庁が、シカへの餌やり禁止を訴える始末である。

シカはペットじゃない、野生動物だ。いくら可愛らしく見えても、シカにはシカの世界の生活がある。人間の好む加工食品は、多くの場合、野生動物には有害である。

ところが「シカちゃんが可哀そう」「お腹を空かしているシカを助けよう」と無知なる善意を振り回す。如何に善意であろうと、それは結果としてシカの命を奪う以上、残酷な悪行に他ならない。

ある意味、冒頭のシカを惨殺した人よりも性質が悪いと思います。善意ですべてを美化するなと言いたいですね。

このシカ、泡吹いています。なにかマズイものを食べたのだと推測されます。これも善意の犠牲者でしょう。
コメント (2)
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