ヌマンタの書斎

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反省なきマスコミの弊害

2017-11-14 13:41:00 | 社会・政治・一般

何度か書いているが、日本の政治に二大政党制が合うかどうかは、いささか疑問がある。

はっきり言えば、私は二大政党政治に否定的だ。おそらく日本の有権者は、これを望まないと思う。

しかしながら、健全な野党は必要だと断言したい。古今東西、如何に名君と謳われた政治家と云えども、長期にわたり権力の頂点に居座ると、必ず政治は腐敗する。これは、歴史を鑑みれば、ほぼ疑う余地のない真理だと私は考えている。

戦後、長く政権の座にあった自由民主党は、その典型であった。野党が掲げる社会主義が輝きを持っていた時代はともかく、ベルリンの壁が崩壊し、未来の希望であった社会主義の醜い現実が露呈すると、日本社会党、日本共産党、民社党は必然的に衰退した。

有能なれど金権政治家であった田中角栄を引きずりおろした力は、もう既存の野党にはなかった。だが、あの時は日本新党が旗揚げして、新党さきがけと連立して、短期間ながら政権与党となった。

野党に堕ちた自民党は、必死になり、かつての仇敵である日本社会党に膝を屈する屈辱に塗れながらも、なんとか政権の座に戻った。皮肉なことに、新しい風を政界に吹き込んだ日本新党を追求し、イメージを貶めたのは、それまで長年にわたり自民党を攻撃してきた左翼マスコミであった。

政界の新人である日本新党の政治家に、自民党に対するのと同等な非難を浴びせたのが原因である。これには、さすがに左翼マスコミも反省した。その後、小泉の長期政権後、構造改革の歪みでバタバタした自民党の間隙を突くかたちで、民主党政権が生まれた。

かつて日本新党を潰してしまった左翼マスコミは、同じ失敗を繰り返すまいと、民主党政権をマスコミの側から支える密約を交わした(らしい・・)。もちろん、文章化された約定がある訳ではないが、当時のマスコミの民主党支援は露骨であったから、まず事実であろうと思う。

だが、民主党は民意を反映しない政権であったため、国民の支持を失い、再び自民党が政権の座に戻った。しかも、首相の座に就いたのは、かつて誹謗中傷の雨嵐からストレスで潰れた安倍晋三であった。

安倍首相は、マスコミの意向など意に介せず、かつての失敗を糧に異例ともいえる長期政権を打ち立てた。

反日自虐こそ、日本を平和に導く唯一の道であると信じる左翼マスコミは、必死になって安倍政権を攻撃した。だが、閣僚のスキャンダルでは、肝心の安倍首相を退陣に追い込めない。

ようやく見つけた安倍政権のゆるみが、いわゆる森友学園であり、加計の獣医学部認可問題であった。左翼マスコミは必死でこれをネタに安倍政権を攻撃し、その尻馬に乗る形で民進党という民主党政権の失敗を誤魔化すための野党が、国会で徒に時間を浪費した。

左翼マスコミは、次の衆議院選挙で安倍内閣を引き摺り下ろせると思っていたらしい。しかし、結果的には自公政権側の圧勝であった。民意は森友、加計問題を政権選択の重要事項とは見做さなかった。

民主主義とは多数決で多い方を正しいと見做す政治である。主権者である国民の判断は下された。そう考えるのが自然であろう。しかし、左翼マスコミは、その現実を直視することを避けた。いや、逃げたと酷評するべきであろう。

そして、あろうことか衆院選挙の後、必死になって立憲民主党を持ち上げ、希望の党をこき下ろし、野党勢力は負けていないと抗弁した。それに相乗りする形で、野党は国会において再び森友、加計問題を持ち出す始末である。

いい加減にしろ!

私は安倍政権を必ずしも高くは評価していない。特に国内政治、経済対策についてはかなり否定的に捉えている。追及すべき安倍政権の政策の瑕疵は相当にあると考えている。

だが、今の野党、今の左翼マスコミには、それが見えていない。

はっきり言えば、日本の政治が硬直化し、制度疲労を起こしている大きな要因は、この現実を観ずに、平和に呆ける野党、左翼マスコミである。

これは私の印象だが、民進党、立憲民主党、共産党に投票する人たちには二種類ある。一つは、とにかく与党である自民党が嫌いな人たち。もう一つは、少数ながら本気で左翼政治家に夢を託している人たちだ。

統計をとった訳ではないが、前者が多数で、後者は有権者のうち1割に満たないと感じている。そして困ったことに、この一割に満たない少数派は、マスコミ業界に多い。特に新聞とTV業界に棲息しているようだ。

彼らの多くが、青春時代を社会主義を信じる学生運動の熱い息吹のなかで過ごしている。もっとも彼らにとって、社会主義は重要ではなく、むしろアメリカ追随の自民党政治を否定することが、正しき政治への道であると思い込んでいる。

その思い込みを疑うことなく、社会人となり、そのまま高齢化を迎えようとしている。ある意味、純粋であるかもしれないが、頑迷であり、依怙地でもある。

彼らにとって、今の日本を素直に受け入れることは、自分の大切な青春時代を否定することであり、自らの半生を間違ったものだと認めるに近い。だから、今もってなお、反米であり、反自衛隊であり、反自民党であり続ける。

勘違いされては困るので、言っておくと、私は彼らを啓蒙してやろうなんて、まったく考えていない。基本、無駄な努力はしない主義だ。第一、本当の馬鹿に、あなたは馬鹿だと教えてやるほど、私は馬鹿ではない。

ただ、彼らの存在は、日本の政治にとって、極めて有害であることだけは指摘しておきたい。

安倍政権の国内政策には瑕疵が多い。アベノミクスは決して万能ではないし、他の政策でも失敗例が多い。それに国民が気が付けないのは、マスコミがまともに取り上げないからだ。いや、マスコミ自体が分かっていない。それよりも、安倍政権のスキャンダル追及こそ、安倍落としの王道だと思い込んでいるからだ。

おかげで、国会で真剣に論議して欲しいことが、国会を素通りしている。これはヒドイ、酷すぎる。

仕事が忙しいので、個別に問題点を書きだす余裕がないのが悔しくて仕方ない。実際、私自身、マスコミ並に不勉強である。ただ、マスコミと違い、己の怠惰を黙認できるほど恥知らずではない。

だから、ここで吼えている。

本格的に忙しくなる前に、もう少し勉強して、安倍政権の政策の失敗を取り上げたいと思います。

コメント
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