既にCBSニュースなどで、この映画があまりヒットしていないことは知っている。
ただ、日本では大ヒットはしないまでも、けっこう観る人は出るのではないかと思っている。理由は簡単で、前作「ブレードランナー」が日本ではカルト的名作としてヒットしたからだ。
実際、私自身もかなりの期待を抱きつつ、映画館に向かったものだ。続編である以上、前作における最大の謎が判明するのではないかと考えたファンは、けっこう多いと思う。
ネタばれになるような事は書きたくないのだが、これは書いてしまいます。
謎は謎のままで、ヒントさえ見当たらなかった。正直、私は失望しましたよ。
ただし、これは前作のファンの間では、もはや固定概念とまでなっている疑問、果たしてデッカード(前作の捜査官)は人間なのか、レプリカントではなかったのか。
わざわざ老齢のハリソン・フォードを出してくる以上、この疑問に回答が与えられると思っていたのだが、まったく分からなかった。だからこそ、私は失望した。
しかしながら、この作品を単独で評価するならば、けっこう採点は高い。かなり長時間の上映なのだが、私はけっこう満足できた。前作同様、日本的な風景をちりばめながらも、荒廃した未来と、荒んだ人々を描き出すことに成功している。
また主人公でもあるレプリカントの苦悩や、人間たちの矛盾したあり方など、SF映画として満足のいく水準にあると思う。
ただ、ただ長年の疑問が解消されなかったことだけが、いささか不満。
つまり、観方を変えれば、この疑問を持っていない方ならば、不満を抱くことなく映画館を出ることが出来る。
上映時間が長過ぎるので、多少料金高くても、いい映画館で観ることをお薦めします。やはり、ゆったりとした椅子で観た方が楽ですから。