のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

放哉忌

2007-04-07 | 忌日
本日は 尾崎放哉の命日でございます。
享年42歳。

咳 を し て も 一 人

ワタクシが放哉の句に出会ったのはたしか高校の教科書でのこと。
「頭を殴られたような衝撃」とはよく使われる比喩でございますが
この一句を目にした時のろを見舞ったのは、頭に釘を打ち込まれたような衝撃でございました。
おかげで、山頭火も斎藤茂吉も頭からふっとんでしまいました。
啄木は残りましたが。


こちらは数年前に制作した、豆本放哉句集。(写真がきたなくて申し訳ございません)


中はこんな感じでございます。



3ツ目綴じというやり方でございまして、真ん中のみ、綴じ糸が見えます。



蟻 が 出 ぬ や う に な っ た 蟻 の 穴

机 の 足 が 一 本 短 い

白 い 子 犬 が ど こ 迄 も 一 疋 つ い て く る

死 に も し な い で 風 邪 を ひ い て い る

あ る 昼 ほ が ら か に 花 が 散 り そ め し

読んでいるとたまらないような心地になります。

蟻 を 殺 す 殺 す 次 か ら 出 て く る

花 が い ろ い ろ 咲 い て み ん な 売 ら れ る

好きな句を挙げて行くときりがございませんので、これにて。

鞠 が は ず ん で 見 え な く な っ て 暮 れ て し ま っ た

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2 コメント

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教科書に? (共猫)
2007-04-08 17:59:27
なんと 素晴らしい!豆本 そして「頭を殴られたような衝撃」 俳句ですか?
私、最近 川柳に興味持ちまして 趣味の一つに加えるつもりですが・・・
俳句は季語がいる、風景や人の様を詠む 川柳は 自由に心情を詠むと習いました
頭に釘を打ち込まれ ☆五つです!
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Unknown (のろ)
2007-04-10 07:41:11
共猫様、いらっさいませ。

小中高校を通じて、国語の教科書にはずいぶんお世話になりました。
授業に取り上げない作品も、読み物として楽しめましたし
分厚いのでパラパラマンガも描きがいがありましたし。
教科書で初めて出会った名作というのもございますね。
『山月記』とか。
反対に、教科書に載っていた断片が全然面白くなく
かつ再三読んでも何を言っているのか理解できなかったために
今もって読む気がおこらない作家というのもございますが。
大江健三郎とか。・・・単にのろが馬鹿なのかなあ・・・

豆本は、放哉全集からとりわけ好きな句を抜粋して作りました。
迷って迷って、選ぶの大変でございました。
コレでよしと思っても、一日おいてみると別のがよく思えてきたり。

>俳句は季語がいる、風景や人の様を詠む
折しも、先日の日曜美術館でゲスト氏が
「俳句は風景を描く絵画のようなもの、和歌は心情を歌い上げる音楽のようなもの」と言っておられました。
川柳はその両域をカバーするフレキシブルな文芸といった所でしょうか。
何でも題材になりますし、生活が楽しくなりそうですね。
良句ができたらぜひ公開なさってくださいまし。
ちなみに、古典のなかではワタクシはこれが好きです。

そのあした 橋の欄干 傷だらけ

はい、五条大橋です笑。

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