のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

『RED』

2011-02-12 | 映画
「もし彼を悲しませたら、あなたを殺して森に埋めるわ」

「あなたを殺すわ」じゃなく「殺して森に埋めるわ」ってとこが具体的でよろしうございますね。

というわけで
ファーストデー料金でRED/レッドを観てまいりました。

設定はたいへん面白く、俳優陣は端役も含めて素晴らしく、キャラクターはそれぞれ個性的で魅力があり、最後のひねりの唐突さを除けば脚本はそれなりに(つまり、お馬鹿映画なりに)しっかりしているのに、キャッホー最高!続編楽しみ!というほどの映画にならなかったのは何故なのだろうかと、エンドロールを見ながら考え込んでしまいました。

最後まで退屈はしない代わりに、アクションにも笑いどころにもこれといって突出した所はございませんで、全体としては可もなく不可もなしといった所。
おそらく本作はギャグやアクションやストーリー云々よりも、ブタのぬいぐるみをたずさえてぼーーーと突っ立っているマルコヴィッチや、純白のドレスに身を包んでマシンガンをぶっ放すヘレン・ミレンや、しれっとして「アフリカの小国の大統領のフリ」をするモーガン・フリーマンや、出演時間は短いながらもジュディ・デンチ的存在感でくせ者を演じるアーネスト・ボーグナインや、ブルース・ウイリスしているブルース・ウイリスを楽しむ作品なのでございましょう。メインディッシュである役者とその演じるキャラクターを愛でるついでに、せっかくだから一応つけあわせのギャグやアクションも賞味しておくというのが正しい鑑賞方法なのではないかと。

実際、体にダイナマイト巻き付けて奇声をあげながら猛然とこちらに走って来るジョン・マルコヴィッチという世にも恐ろしいものを拝めただけでも1000円分の価値は充分にございましたので、その他の全てはおまけと考えてもよろしうございます。そう考えるならばかなりお得感のある作品でございました。



『特攻野郎Aチーム』のクレイジーモンキーと『ポリス・アカデミー』のタックルベリーを足した上に危険度を三倍がけぐらいにしたマーヴィン(マルコヴィッチ)がのろごのみでないわけがございません。お友達には絶対なりたくないタイプでございますけれどね、魅力的なキャラクターというのはおおかたそんなもんでございます。
撃っても撃たれても、また屈強な警備員の首元にチョップをかましてもあくまで上品なヴィクトリア(ヘレン・ミレン)も素敵だったなあ。

というわけで、もし続編が作られればマルコビッチとヘレン・ミレン観たさにいそいそ劇場に足を運んでしまいそうなワタクシではあります。しかしもう一度このキャスト、特にブルース・ウイリスを召喚する資金を回収できるほどのヒットにはならないのではないかしらん。


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