汗ばむ陽気の中、「閉眼供養」を執り行いました。
俗に言う「墓終い(はかじまい)」です。
菩提寺の方丈さんにお願いし、「性根を抜く」儀式。
考えた末の結論ながら、これで良かったのかとの想いもありますが。
我が家の宗派は、禅宗の「曹洞宗」。永平寺が本山。
40基近い先祖の墓それぞれの四隅に線香、そして水とお米を供えます。
墓石に刻まれた戒名ごとに経を読む、長時間のセレモニー。
我が家の墓は、家から歩いて5分ほどの小高い場所。
しかし 年々この墓への道が「急坂」に変わる感覚です。
加えて、この道や墓周辺の草刈りが体に堪える年齢に。
改葬を考えた一番の理由は、私たち夫婦のが亡くなった後のこと。
私もかみさんも、若いころから、神や仏への信仰心が薄いほうでした。
散骨や樹木葬を候補にするくらいの「お気楽夫婦」。
四人の娘に恵まれましたが、全員東京暮らし。
二人は結婚、二人が独身。将来においても、娘たちの田舎暮らしは想像できません。
まして 「墓を守る」「家を守る」感覚は、私たち夫婦以上に希薄?
そこで、墓の改葬を決意。
現在の墓を終い、新たに菩提寺に永代供養をお願いしました。
車が横付けできる墓地です。「一等地?」ではないものの、便利な場所?
「先祖より、生きている人間の利便性を優先」した「罰当たり」かも。
娘や孫たちが、私たち夫婦の墓参りをすることもあるでしょう。
遠い未来 子孫の中に、自分のルーツを探す人が現れるかもしれません。
親や先祖に手を合わす対象としての墓が必要ではないかとの菩提寺のアドバイス。
考えた墓の形は、和洋の墓の形ではなく、モニュメント?です。
私の描いた拙い「ポンチ絵」を、石材店が「パース」で表現。
他家の墓が並ぶ中、違和感もないように、多少墓のイメージも表現。
石碑に刻む言葉は「安寧」。
多くの言葉の中から、早くから決めていた言葉です。
「世の中が穏やかで平和なこと。心身が無事で安らかなこと」。
奇しくもコロナ禍で騒然の現在、「安寧」の時が待たれます。
改葬の第一ステップの「閉眼供養」は終了。
後は、月末の「開眼供養」を待ちます。
開眼供養は、慶事で花も飾るそうです。
「閉眼供養」は、私が「終活」に踏み出した一歩。
元気なうちにやるべきことを模索中です。
画像 庭の雪柳 バラ科、花言葉は「愛らしさ」「静かな思い」
白い色ながら意外に目立ちます
菩提寺の江湖会 曹洞宗における新住職就任式
近隣の住職が50人も集合、一大イベント
石碑(墓) 新しく建立予定、石材店がパースにしてくれました
墓らしくない墓を建てたかった私です
10年くらいどうするか悩んでいました。
しかし 元気なうちにと思い決断しました。
ただ 本当にこれで良かったのかと思うことも。
改葬には、市役所の許可がいります。墓地は無税の
ため、移転すると課税されます。
霊園・寺に移る場合はいいそうです。