農業の過酷さを体験した一日です。
新見市周辺ではもちろん全国でもほとんど作られない「焼き米」を作ります。
昔から、田舎の保存食もしくは「おやつ」だったかもしれません。
もう数十年前に周囲の人が止めた製法にチャレンジです。
機械を使わず、すべて手作業です。師匠は大正生まれの「母親」。
弟と共同作業です。
「焼き米」とは、米の「インスタント」食品。
お湯やお茶を注ぎ、塩で味つけします。数分経って食べます。
手間のかかる製造方法ですが、「昔」の味の再現です。
熟れる前の葉の青い稲を刈り取ります。
今回は、およそ40束。中腰が体にこたえます。
これを昔ながらの脱穀方法で、「もみ」に。
エンジンを使わない脱穀は、回転を生む足が重要。回転する「千歯」の一種。
このタイミングが難しいのです。脚力も必要。
葉っぱが混じります。これが厄介です。
近くのきれいな小川で、葉っぱや実のない「もみ」を選別。
「比重」の差を利用して、ゴミ類を流します。
十分「実」のいった「もみ」のみを流水にさらします。
およそ3日間。たっぷり水を吸わせます。
流れのきれいな川でないと臭いがつくそうです。
麻袋を沈め、石で重しをし、流れないようロープで縛ります。
今回はここまでが昨日の作業。
3日後、これを大釜で「煎り」ます。(詳細は後編)
コーヒーでいう「焙煎」です。
そしてこれを精米。
このときだけは、専門の精米業者に依頼。
水車のあった時代は、すべて自己完結だったのでしょう。
画像 大釜(昔からあったもの)
青刈りの稲
回転式「千歯?」で脱穀(足に痙攣がきそうです、弟初出場)
流水で「もみ」を選別(手前が私)
川に沈めた麻袋の「もみ」