読書な日々

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『腎臓が寿命を決める』

2022年09月20日 | 自然科学系
黒尾誠『腎臓が寿命を決める』(幻冬舎新書、2022年)

このあいだ新聞に父親が突然ベジタリアン(それも一番きついやつ)になると宣言して、育ち盛りの子どもがいるために母親が二種類の食事を作らなければならなくなって家中が大騒ぎになったという話を読んだ。それが面白かったのは、これは当事者ではなくて、子ども目線で書いてあるのだが、父親がベジタリアンになったのは、なんか高邁な考えがあってのことではなく、たんに早死したくないという健康オタク的発想だということなのに、老後はアルツハイマーや…になってしまい、世話をしなければならない母親を困らせているという。

人間の体はなにがどうなるかわからないことがまだまだ多いのだが、それでも多くの研究者たちによっていろんなことがわかってきている。その一つがこの本で書かれていること、つまりリンの過剰な摂取が体によくないどころか、老化を早めるという。

この本で刺激的なところをピックアップ

1.リンは血中で高濃度になると「細胞毒」のように働く
2.リンは知らず知らずのうちに口に入ってきてしまっている
3.日本の食は「添加物まみれ」&「リンまみれ」状態

恐ろしや!この本は2022年のものだが、リンの過剰摂取、つまり添加物がたくさん含まれている食品―ハム、ベーコン、ウィンナーなど―は体によくないということは以前から耳にしていた。

私はベーコンなどが好きな方で、イタリアン風の炒めものやパスタを作るときによく使っていたのだが、たまに使うのはいいとしても、毎週数日も使うのは怖いなと思うようになって、だいぶ前に辞めた。

この本ではそれが科学的に検証されているので、やっぱりなという感じて読んだ。

とにかく食品添加物の多いもの、いわゆる加工食品はあまり使わないようにしている。できるだけ、肉でも切り身にしただけのものを買って、焼く・煮るだけで、味付けも市販の焼肉ソースなどは使わずに、塩とこしょうだけというものが多い。

あれやこれやのサプリメントを飲むのに金を使う前に、この本にも書いてあったが、「おばあちゃんの知らないような名前の食品を食べない」ようにするだけでも、ずっと健康を維持できるのではないだろうか。

最近、長寿の人が多くなっているのは、いまの90歳以上の人は昭和の初めの生まれで、たぶん4・50歳まで食品添加物の多いものは食べていなかった世代だと思う。こういう生活をしていたらこんなにも長寿になるのだろうが、最近の若者は子ども時から食品添加物まみれのものを食べてきているから、平均寿命はだんだんと下がってくるだろうな。うちの子たちや孫たちにも教えてやれねば。

この本のアマゾンのサイトはこちらをクリック
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