読書な日々

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『ロボットは東大に入れるか』

2018年02月24日 | 評論
新井紀子『ロボットは東大に入れるか』(イースト・プレス、2014年)

最近、新聞紙上やテレビを賑わしているAIが人間の知能にどれほど迫れるかという問題を、AIが東大に入れるほどの知能を持ちうるかという形で実証しようとするプロジェクトの一環を本にしたものだが、一番興味深いところは、もうすでにAIには東大に入るほどの知能を獲得することはできないという結論が出ている―少なくとも当事者たちにとっては―ことだ。

常識的にはAIが一番得意なのは数学で、一番苦手なのは国語と思うが、実は数学でも完全に答えられたものもあれば、まったくできなかったものもあるし、国語でも同様であったという。それは結局、問題を解くということの前提にあるのが、日本語を理解するということであるので、言語を理解するということが入試において最も肝心な点になる。

ところが、AIは言語を言語として理解することはできないのだという。すべてを記号として理解するので、結局は、確率・統計の問題になるという。だから、私も使っているグーグルの日本語変換ソフトは、グーグルが集めた大量のデータをもとにしているので、実にスムーズに変換してくれる。またグーグル翻訳も同様で、とくにデータの多い英語の翻訳はスムーズだ。

その点で、歴史の入試対策としては教科書しか使えないために、応用がまったく効かず、お手上げ状態だという報告があった。

もちろんAIの専門的なことは私には分からないが、AIをどんな風に利用していくのかということについては国民の一員として考えておく必要があると思う。



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