仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

弱みが強み?

2009年06月29日 | 苦しみは成長のとびら
昨日の読売新聞「日曜の広場」のテーマは弱点でした。失敗や恥ずかしいことなどマイナスのテーマの方が、読み手としては面白い。

「聞き上手が幸い」という題で、会社員川村三郎39(宮城県白石市)が、エッセイを寄せていました。

 金融関係の仕事をしていた時、返済が滞った客に督促の電話をかけていました。失業、事故、病気など、それぞれに不払いの理由があり、相手の苦しい内情についつい耳を貸してしまいがちでした。上司から「お前の弱点は相手の言い分を聞くことだ」としかられたものです。
 昨年、転職し、今は家電を販売しています。苦情を聞いて対処するのも仕事のうちです。客の言い分をじっくりと聞き、丁寧な応対を心掛けています。そんな接客態度を上司は褒めてくれます。かつての弱点が今では強みとなっていることに照れ臭い思いがします。(以上)

現代の社会や会社は、作業能率を向上させ最小のコストや労力で目的を達成することと、労働やサービスまでも数量化し、質より量を求め、働く人の均質化や画一化を追求して、ミスのない人を有用視する。

そんな機械的な人間味のない会社では、会社の色に合わない人はお払い箱となる。しかし精神の営みを大切にする立場で見ると、そうしたいわゆるユニークな人材が一人いると、ホッとしてみなが救われるという効果がある。マクドナルドのように直線的な心配りや失敗の発生しないシステムに身を置いていると、心がすり減り、ストレスがたまる。笑いや悲しみなど喜怒哀楽のない状況下では、人間性の継続が難しい。だから離職率が極端に高い。そうした中に、よく失敗をするユニークな存在がいると、みんながホッとして長く就職してくれる。

弱点が強みになったり、強みが弱点になったり、なにか会社や社会が直線的に有用性だけを重んじる傾向がある。ユニークな存在を受け入れる度量が、社会や会社に深さを与えてくれるのだと思う。

弱みを抱えて職について人よ、上司に見る眼がないだけです。あなたはあなたのままで役に立っています。安心してください。
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