『読売新聞』夕刊に、2023.12.4~、若くして逝去した母が、娘てために、20歳まで毎年、手紙を送るようにと弁護士に頼み、逝去。そしてその娘が20歳になったという実話が、連載されていた。「天国からのビデオメーセッジ」というは、流行の動画ががります。
残された子どもに手紙を書くということは、凄いことだと思う。
読売新聞の記事は下記参照
お母さん、20歳になったよ…[天国からの手紙]<1> : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
「天国からのビデオメーセッジ」
サキちゃんのママは重い病気と闘っていたが、死期を悟ってパパを枕元に呼んだ。
その時、サキちゃんはまだ2歳。
「あなた、サキのためにビデオを3本残します。このビデオの1本目は、サキの3歳の誕生日に。2本目は小学校の入学式に。そして3本目は…OOOの日に見せてあげてください」
まもなく、サキちゃんのママは天国へと旅立った。
そして、サキちゃんの3歳の誕生日。 1本目のビデオがかけられた。
(ビデオからつないだテレビ画面に、病室のママが映し出される)
「サキちゃん、お誕生日おめでとう。ママ、うれしいなあ。でもママはね、テレビの中に引っ越しだの。だから、こうやってしか会えない。パパの言うことをよく聞いて、おりこうさんでいてね。だったら、ママ、また会いに来ます」
キちゃんの小学校入学の日。2本目のビデオ。
「サキちゃん、大きくなったネ。おめでとう……。ママ、うれしいな。どんなにこの日を待っていたか。サキちゃん、ちゃんと聞いてね。ママが今住んでいるところは、天国なの。だから、もう会えない。でもね、パパのお手伝いがちゃんとできたら、ママ、もう一回だけ、会いに来ます。じゃあ、魔法をかけるよ。 エイッ!ほうら、サキちゃんは料理や洗濯ができるようになりました」
そして3本目のビデオ。そのタイトルは、こう書いてあった。
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新しいママが来た日のサキちゃんに、そしてサキちゃんが10歳の時、パパは再婚し、新しいママが来た。
3人いっしょに、3本目のビデオを見つめた。
なつかしいママの顔が映し出された。
「サキちゃん、おうちの仕事、がんばったね。えらかったね。
でも、もう大丈夫。新しいママが来たんだから。
サキちゃん。今日で本当にお別れです。
サキちゃん、今、身長はどれくらい?ママには見えない。
(泣き崩れ、カメラを抱え込む姿が映る)
ママ、もっと生きたい…。
あなたのために、おいしいものいっぱいつくってあげたい…。あなたの成長を見つめていた
い‥・。
じゃあ、サキちゃん、これがママの最後の魔法です。
それは、『ママを忘れる魔法』です。
ママを忘れて、パパと、新しいママと、楽しい暮らしをつくってください。
では、魔法をかけます。 1、2、3、ハイッ
そこでビデオは終わった。
しかし、サキちゃんに、この魔法は効かなかった。
パパと、新しいママにも効かなかった。
ママは、みんなの心の中に、ちゃんと残っていた。
そして今度は、サキちゃんが主役の、4本目のビデオがつくられたのだった。
天国のママに見てもらうために。
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