仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

死亡者増が葬式増にならない社会

2024年07月26日 | セレモニー
『「2020」後―新しい日本の話をしよう』(2020/5/30・河合雅司著)からの転載です。


 約20年後には年間167万9000人もの人が亡くなるという推計があるよ。当然、斎場や火葬場はいまの数では足りなくなる。とくに高齢化が急速に進む東京圏では、もすでに斎場や火葬場がいっぱいで1週間以上待だされるヶ-スも出てきているんだ」「お葬式をするのに1週間待ち。それなら、もっと葬儀場や火葬場を造ればいいのに。この先もたくさん需要があるはずですよね。葬儀会社は確実に儲かるのでは」「いや、そうは簡単にはいかないんだ。こういう施設を建設するとなると、必ずといっていいほど地域住民から反対の声があがる。それに、葬儀会社が儲かるかどうかも、ちょっと怪しくなってきているんだよ」
「どうしてですか?」
「お葬式は亡くなった本人ではなく遺族が出すものだよね。少子化、高齢者の高齢化によって、これからは誰かが亡くなってもお葬式を出す人がいない、参列する人がいない、ということが起こってくるだろうと予想されるんだ」
・「家族や親戚かいなくて、孤独死する人が増えるってことですか。それって、なんだか悲しい」
「ゆくゆくはひとり暮らしの高齢者が増えていくと話しだけれど(P48)、現在は、まだどこかに家族がいて、単に別々に住んでいるという人が多い段階。それが、超高齢化か進んでくると、身寄りのない人も増えそうだ。さらに子どもが親を送り出すということが当たり前じゃなくなるかもしれない。90代の母が生きていて、70代の息子が先に亡くなるということだって珍しくはなくなるだろう。子どもに先立たれたのでは、90代の親が亡くなってもお葬式を出す人はもういない。90代の人のお葬式となると参列者のほうも高齢者が増えるだろうから、外出もままならず参列者が極端に少ないなんて状況も予想されるよね」「そうか……高齢期に孤独になるのは生涯独身だったり、子どもがいなかったり、という人のイメージがあったけど、子どもがいる人でも最期は1人になってしまう可能性もある」(以上)

死亡者は増えるが、一人家庭が多くなるの、高齢者が亡くなっても、葬式を出す人がいなくなるので、死亡者増が、葬式が増えることに繫がらない社会が来るということです。
コメント
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