仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

「ねがう」という言葉

2019年06月04日 | 仏教とは?
『中西進著作集15』に「ひらがなでよめばわかる日本語」からもう一題です。

いわう ねがう

  この「ねがう」と「いわう」、古語は「ねがふ」「いはふ」で、どちらも「ふ」で終わります。この「ふ」には、大きな意味があります。
  「ねがふ」は「ねぐ」に「ふ」がついたことばで、「ねぐ」とは、和らげることです。何を和らげるかというと、神様の心を和らげるのです。神様はとても怖い存在ですから、その心を安らげて加護を願わなければなりません。
 
…神職の位の一つである「ねぎ(禰宜)」や、いたわる意味の「ねぎらう」です。
 
 …語尾に付く「ふ」は何かというと、継続の意味を表わします。ですから「ねぐ」という動作を何度も繰り返すのが「ねがふ」となります。
 同じく「いはふ」も「いふ」十「ふ」で、「いふ」という行為を続ける、つまり何度もいい続けることが「いはふ」です。神様に対して、大切にする気持を一所懸命、繰り返しことばに出す。それが「いはふ」の本来の意味でした。ところが「いはふ」はやがて「斎ふ」意味に解され、犬切にすることに意味が限定されました。
 神様とかかわることばで、最後に「ふ」がつくものは数多くあります。
 たとえば神との約束を意味することを「うけふ(誓ふ)」という。また、何度も魂をよび続けることを「よばふ」という。魂は、大声でよび寄せなければならない存在でした。
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