仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

幸福度調査の思う

2010年04月28日 | 現代の病理
総理府が(http://www5.cao.go.jp/seikatsu/senkoudo/h21/21senkou_01.pdf)国民の幸福感の現状を調査し発表したとあったので、早速アクセスした。

1. 国民の幸福感の現状

・10 段階評価で、平均値は「6.5」。日本では、「5」を選択する者が多いほか、デンマ
ークや英国と比較して、低い点数をつける者が多かった。
・男女別には、女性のほうが幸福感が高い。特に10 点中7 点以上の幸福感がある
と答えた者が男性48%に対して、女性は59%
・年齢別には、30 歳代の幸福感が最も高く、特に10 点中7 点以上の幸福感がある
と答えた者の割合は30 歳代をピーク(61%)に、年齢階層があがるにつれ低下
(70 歳代は44%)

とある。偏見があるかもしれないが、書店へ行ってもデパートへ行っても30代女性をターゲットにした商品が花盛りなので、いま日本で一番元気なのは30代女性で、総理府の結果にも頷づける。

その30代女性が独身か既婚者かまではデーターないが、どちらにしても健康で両親がまだ健在で、子供がいても教育費の出費が少ないためお金に余裕があり、将来への夢もある世代です。

そしてその反対がお年寄りなので、幸福度も低いのだろう。

問2 幸福感を判断する際に重視した基準は何ですか。あなたのお考えに近いもの上位2つに○を付け
てください。(n=2,889)

自分の理想との比較64、将来への期待・不安55.7、過去の自分との比較30.2、他人との比較26.8

上記のことから見えてくるものは何だろうと思う。それは現代日本の精神文化が、「自分が思い通りになる」ということを幸福の大前提に置いているということではないだろうか。

ノーベル賞作家であったパール・バックさんの言葉に「文明の程度は、それが弱い人、頼るところのない人を、どのように尊重しているかによって量られる」とある。このパール・バックの言葉を物差しとしてこの幸福度調査を見ると、何をもって幸福の尺度とするという基本的な考えが平面的だということです。

幼稚園、保育園で七夕の日に、竹に結ばれた短冊を見ることがある。「~になりますように」に書かれた願いと、大人の幸福感が何ら相違しない、そこに疑問をもつことのない日本の精神文化は?

いやこれは、総理府のアンケート調査の内容にも問題がある。
コメント
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