仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

ワンちゃん進化論

2009年12月11日 | 現代の病理
犬の進化論②

以前、なぜ二足歩行をやめ四足になったかという犬の進化論を書いた。その第二弾です。(下記に掲載)

日本は1990年に入り、高度経済成長は過去のものとなり、終身雇用制、父権主義の衰退、国民総中流階級、またダイエーに象徴された安い物を大量にという、みんな一緒というライフスタイルの時代は終わった。

そして個性重視、格差社会、男女共稼ぎ、情報産業、経済のグローバル化など、新しい時代が始まった。「安くて便利で快適」といった社会の流行は、個人を主とした生活スタイルが主流となり、刹那的な満足を求め、今までの家族形態を変えていった。

二足歩行を断念し、人間のペットになって安住を手に入れたワンちゃんは、この日本のライフスタイルの変化にいち早く順応した。

まず家庭が父親は外貨、妻は家事、子どもは勉強という物理的な支え合いから、親の絆や安心といった精神的なつながり求める傾向になった。しかし現実は家族がバラバラに行動し、心の充足は得られないままに、止まり木的な家族が多かった。その心の空白に目をつけたワンちゃんは、いつでも傍にいる偽以家族犬になる道を模索していった。そして相手の欠点を責めず、気軽に求めに応じ、いつも愛嬌をふりまき、主人が家に帰ってくると飛びついて喜びを表し、腹がすくと悲しい表情で愛を求めた。人間は、その一つひとつの上に自らの必要とされているという自己満足を得て、ペットためにという使命感や生きがいをもっていった。

その結果、ワンちゃんは番犬から、家族の地位を手に入れ、病気の治療も冷暖房の生活環境、ペットマッサージ、産業界でもペットは消費商品の地位から、人間同様に消費する人格としての地位を手に入れ「愛するペットを幸せにすることにお金を使う」人がますます増えていった。

いまワンちゃんの進化の最終目標である、人間生活には心理的になくてはならないものという、人間から尊敬される地位に近づきつつある。



犬の進化論

人間の二足歩行は進化論で語られますが、犬が二足歩行を断念した選択を進化論風に書いてみましょう。

 人間のお産の時間は平均14時間、動物が原野でこんなに時間をかけると敵の餌食になります。また多くの動物は固体(一人)でお産をします。お産中に敵から襲われないためにも、お産は短時間に済まさなければなりません。 人間の難産の理由は二足歩行にあります。いつも背骨は直立しているので、子宮の入り口が下方にあります。そのため赤ちゃんの重力が直接子宮にかかりるので、妊娠中に落ちないように子宮の入り口をとても硬くしなければならないのです。

 犬は、この子宮口が容易に開かないという難題を避けるために二足歩行を断念しました。

 4本足で立つと子宮の入り口が横にあり、赤ちゃんの重力は下方に向かい子宮の入り口を圧迫しません。したがって、子宮の入り口は柔らかくても早産などの心配がなく、お産のときは簡単に開いてお産が楽に終了します。 まだ良いことに、脊椎がちょうど天秤棒の役目を果たし、子宮をぶら下げるので、人間のように腎臓が子宮と脊椎に挟まれて圧迫され、腎臓の働きが悪くなる高血圧症になったり、窮屈さのせいで赤ちゃんの発育が止まるという弊害も防げます。また赤ちゃんは小さくても頭と体は充分発育させ、しかも一匹だけでなく数匹同時に産むことも可能となりました。

 一方、二足方向を選択した人間は、その結果、手が自由になり道具を生み出し、脊髄全体で脳を支えるので脳を発達させました。そして道具を次々に発明し暮らしは大いに楽になっていきました。

 しかし弊害もありました。道具の発達は、貧富の差を生み出し、一人で生活することも可能となり、孤独や競争による敗北によっての自殺など、文明病ともいえる新しい問題も生まれてきました。

 二足歩行により脳を発達させ他の動物を支配するという道を取らなかった犬は、道具で楽になった人間に従属することによって、労働と孤独・貧困などの弊害を回避し、また孤独になった人間のペットに徹し、人間に心の癒しをもたらし、ペットのための病院やお墓、ペットフーズや座敷での生活を次々に手に入れていきました。
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