仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

犬の裁判

2009年12月09日 | 現代の病理
ソ連の崩壊によって冷戦構造も終わり、軍事的・経済的な影響力に影をひそめていた人種的・民族的紛争や宗教的対立が世界中の至る所で頻発している。

この強力な抑圧からの解放と、主権主義ともいうべき自己主張の台頭は、国単位のことではなく、お隣さんの家庭騒動でも同じことが起きているようです。

ペットの裁判と言えば、今までは「ペット飼育禁止」をめぐる訴訟が管理組合から起こされるといたものでした。ところが最近は、夫婦が離婚してペットが夫につくか妻につくかで調停では解決がつかず、裁判所で、ペットの所有権で争っているという。また裁判まで行かなくても、弁護士が入って、ペット犬4匹のうち何匹を取戻すかというよう依頼もあるそうです。

国の高度成長や国民総中流家庭といった横並びのライフスタイルを支える大きな力が消滅した。すると、その力の影をひそめていた主権主義ともいうべき自己主張の争いがクローズアップしてくる。国家の間でもお隣さんの人間関係の上でも同じことがいえそうです。

いま問われているのは、自己主張を相対化する考え方です。それは昔、どこの家庭でも当たり前に行われていた「お互いさま」「助け合い」「譲り合い」といった自己主張を慎む精神風土です。
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