アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

麹作り~その2~

2012-03-06 14:06:14 | 手作りのたべもの

  西村自然農園で仕込んできた米麹(→)。その顛末を紹介します。

  仕込んだ当日の夕方、帰宅してすぐに加温を始めました。温度が上がり過ぎるのもよくないと聞いたので、布に包んでビニール袋に入れて口を縛ったものを、電気行火ではさみ、全体を毛布やショールでくるみました。

  ところが翌朝、夜いったん上がったはずの温度が、行火が転がって麹のそばを離れたため下降。あわてて小さなホットカーペットの上に、湯たんぽに抱かせた麹袋を乗せました。

  昼間から夕方にかけては、麹の甘い香りが部屋中に立ち込めました。この日は、40度になりそうになると熱を冷まし、30度以下にならないように手当てし、2度の手直しも済ませて、「コウジクンどうなってるかな♪」と独り言を言いながら、しばしば様子を見にいきました。

  ところが三日めの朝、前夜、自身の発熱を待つ段階に入るはずだったので、湯たんぽをはずしたのがたたって、25度に下降。まだ、自分で発熱するだけの力が育っていなかったようです。それに、麹のいい香りが消えています。ひどくはありませんが、前日にはなかった異臭がします。

  でも、すっぱい臭いはしないし、米はぎゅっと握ると少し固まります。色もかなり白くなっています。失敗ではないはず、と自分に言い聞かせ、再度、加温をはじめました。

  この日はそのまま外出。夕方帰宅。もうよかろうと思って保温をやめると、また下降します。それで、またまた加温を再開。
翌日もまる一日温め続けました。

  次の日、一緒に麹作りを習ったAさんから、「セメダイン臭がするので、西村さんに相談した。そしたら、「雑菌が入ったらしい。塩麹や甘酒は無理だから、味噌ならできるだろうからそうしたら?」といわれ、今味噌を作っている」という話を聞きました。

  なんとなく変なにおい、と思っていたのですが、Aさんがはっきり「セメダインの臭い」といったので、「それだ!」と思い当たりました。ではわたしのも雑菌の繁殖が始まったのかも知れないと思い、急いで大豆を買ってきました。
 
 でも、私が自作の麹で作りたかったのは塩麹と甘酒。全部を味噌にしてしまうのは、残念です。甘酒だと失敗すればご飯が無駄になるけれど、塩麹なら塩が無駄になるだけなので、だめもとで、2割だけ塩麹にすることにしました。たまたまどんぐり横丁で、米麹を買ってきたところだったので、同時に2種類の塩麹を作ってみることにしました。右瓶入りが自作の麹、左が市販品の麹です。塩の割合は、麹300gに対し塩は100g。水は300~350ccです。

   残りの800gほどの自作麹は、400gの塩を混ぜて、味噌作りの準備をしました。不思議なことに塩を加えたとたん、セメダイン臭は消えました。

   塩麹を作ってから西村文子さんから聞いた話では、セメダイン臭は、製造途中にある程度はするようだ、とのこと。それが、あるときを過ぎると、まったく消えていい麹に成長するのだとか。私のもAさんのも成長はできなかったけれど、味噌作りの一役は担ってくれそうなので、ひとまず安心しました。

   あたたかくなれば、今の時期ほど温度管理に気をつける必要はないそうなので、初夏のころ、またぜひ試してみようと思います。ただし、今度は雑菌の繁殖に気をつけなければ。
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わかめご飯の素

2012-03-06 12:35:53 | たべもの
  岐阜県瑞浪市の道の駅・どんぶり会館で、「炊き込みわかめ」という食品を買ってきました。

  炊き上がったご飯にこの品を混ぜるだけで、「美味しいわかめご飯が出来上が」る、という文句に惹かれて、けっこう高かったのに買ってしまいました。

  買った日の晩、すぐに使ってみました。磯の香りがして、おいしい。塩味もいい。おいしすぎるくらいです。

  原材料表示を確かめて買ったつもりですが、もしかしてアミノ酸か何か入っているのに、私が見落としたのかしら、と気になって袋の裏を見てみたら、こう書いてありました。

  原材料名 わかめ、食塩、その他

  「その他」には気がつきませんでした。「その他」って何? こんな表記は初めて見ました。アミノ酸なら表示義務があるから、入っていないとはおもいますが、あやしい。表示の下に、「本品は合成着色料、合成保存料は使用しておりません」と書いてありますが、「化学調味料は使用しておりません」とは書いてありません。やっぱりあやしい。

  でも、おいしいことは確か。使い切ったら、自分で作ることにします。わかめが、ただの干しわかめでも塩蔵わかめでもなさそうなので、材料を選ぶのが難しそうですが、やってみます。自分で作れば、材料の不確かさを気にすることはありませんから。

  
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麹作り~その1~

2012-03-06 12:13:38 | 手作りのたべもの
   こめこなクラブの有志たちと、小原地区の西村自然農園に米麹づくりを教えていただきに行きました。

   麹は、蒸した米に麹菌を混ぜて数日の間適温で発酵させてできあがるもの。ずっと前、知り合いのお年寄りが何十年と毎年麹作りをなさっていることを知り、「たいへんでしょう?」と聞くと、「ちっとも難しいことなんかないよ。今は電気毛布があるからね、電気さえ入れておけば自然にできるもんだよ」とこともなげに言われましたが、自分で一から始める気にはなれず、いつか誰かに習いたいと思いながら、10年以上経ってしまいました。

   西村農園の文子さんは毎年大量の麹を作り、味噌や甘酒、麹漬けなどさまざま加工品を作っておられます。彼女の米麹作りの日にお邪魔し、最初だけ一緒にやらせていただくことができました。

  蒸しあがった米。なるべく精米歩合が高い方がよいのだそうで、真っ白のお米です。シートの上に広げて数時間の間は、布とビニール、毛布に包んで寝かせておきます。

  寝かせておいたご飯の一部をよりわけて、麹菌と混ぜます。そして混ぜたご飯を白いご飯の上にふりかけ、揉み解しながら満遍なく混ぜ合わせます。

  これで、きょうの日程は終わり。32度ほどに保温を続け、3日後に出来上がる予定です。たくさん作る西村さんは専用の加温器に入れますが、私たちは各自持って帰って自宅で工夫して保温します。続きはこちらに()。

  ご飯を寝かせている間、お昼ご飯の用意をし、ご馳走をいただきました。食卓に並んだのは、塩麹がほんの少し入った炒り黒豆のご飯に自家製の味噌汁、おから入りの自家製こんにゃくのカツレツ、ハコベ入りの卵焼き、自家製甘酒に塩を混ぜた漬け床から出したカブやニンジン、その漬け汁で作ったドレッシングをかけた白菜サラダ、塩麹で炒めた野菜、自家製の豆腐などなど。

  どれもしみじみと味わい深い食べ物ばかりでした。とくにこんにゃくカツは、おからが入っているせいか、こんにゃくの臭みが消えていて、不思議な味と食感です。塩甘酒の漬物は甘くて、漬物の苦手な私でもけっこう食べられました。漬け汁ドレッシングにはおろしタマネギやニンニクも入っていて、やめられなくなるおいしさでした。


  味噌、こんにゃく、豆腐だけでなく、ハーブソルトもお茶も、すべて文子さん自身の手で作られたものです。畑や野原で採取した野菜や草や木の葉が、文子さんの手にかかると立派なおいしい食べ物に生まれ変わるようすは、感動的です。

  私が初めて彼女にお目にかかったのは、27年ほど前のこと。マクロビオティックの雑誌の編集に携わっていたときに、西村自然農園の取材に訪れました。まだ今ほど、マクロビオティックや自然食、田舎暮らしが脚光を浴びていなかったころのことですが、彼らはいち早く愛知県の片田舎に移り住み、自給自足に近い生活を始めました。当時の私は、やっとマクロビオティックを知ったばかりで、ぼんやりと、いつかこんな暮らしができたらいいな、とあこがれていた段階でした。

  こちらに移住して数年後、文子さんに再会し、自然農園の教室にも何度か参加しました。彼らの田舎暮らしにはますます磨きがかかり、わたしが、いつかやってみたい、作ってみたいと思っていたことを、日常のごく普通の仕事としてこなしておられました。彼女に教わりたいことはまだまだたくさんありそう。さしあたっては、そのうち、納豆作りを教えていたいただきに上がりたいと思います。  
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ムラサキ芋の甘納豆

2012-03-06 09:59:33 | 手作りのたべもの
大豆も小豆もたくさん作っている近所の友人・Gさんが、ムラサキイモをくれました。「小さいし、あんまりおいしいものではないけれど、もらって」といって。

  数年前に、知り合いがムラサキイモで染めたら美しい紫色になったからといって、小指ほどのムラサキイモをたくさん下さったことがあります。それで私も染めてみたのですが、どういう加減か、紫色にはならず、きれいなグレーが出たことがあります。
今度こそ、紫色にしてみたかったので、喜んでいただきました。

  でも、冬の間、外にある作業場ではバケツの水がすぐに凍ってしまって、染め作業はほとんどできなかったので、少しあたたかくなってからと思ってそのままほうっておきました。

  あるとき、Gさんを訪ねたら、「あのムラサキイモで芋甘納豆を作っているの」といって、製造途中のイモを食べさせてもらいました。干す前なので、まだしっとりしていましたが、なかなかいけます。まずいといわれるムラサキ芋が、おいしくなっています。

  芋甘納豆は、甘納豆の芋版。京都にいたころ、三条小橋の角にあった豆菓子専門店で、大粒の白いんげんの甘納豆といっしょによく買ったものです。あれが家でできるなら、すごい! 

  
  彼女に大体のレシピを教えてもらったので、さっそく作ることにしました。念のため、ネットで検索も。サツマイモと砂糖の量が同量なので、かなり甘そう。それで、砂糖の量は少し減らすことにしました。

   ムラサキ芋800g 粗糖600g 水カップ1

  イモは、輪切りにし、切った端から水に漬けます。切り終わったら鍋に入れ、新しく水を入れて、10分ほど煮てざるにあげます。

  たっぷりの湯にイモを入れて沸騰したら弱火にして煮ます。煮すぎないよう気をつけて。竹串がすっととる程度になったら火を止め、ざるにあげます。

  鍋に水と半量の粗糖を入れ、煮溶かしたらイモを入れます。弱火にして煮立ったら火を止め、一晩放置します。はじめは、水が少ないのでイモの全部にシロップがいきわたらないので、心配になって少し水を足しましたが、じきに砂糖が溶けてきてひたひたくらいの水分量になりました。入れなければよかった。

  翌日粗糖を100g加えて、また弱火で沸騰するまで煮ます。残りの粗糖がなくなるまで、これを繰り返します。

  私は、粗糖をすべて入れてからも、一日に一回ずつ火を入れてそのまま3日ほど放置したら、シロップがトロッとしてきて、あまい芋煮になりました。熱いうちに箸でそっととりだし、パッドに広げた粗糖にまぶし、ざるに広げます。

  ほんとうはグラニュー糖にまぶすのですが、うちにはなかったので、粗糖で代用。粒が大きいのでうまくまぶせませんが、かなり甘いものなので、さらに甘くすることもなかろうと思って、べとべとのまま、ざるに乗せました。

  水気が出たところは場所を変えて、ストーブの下においてみたり外においてみたりしながら適当にひっくり返し、干すこと数日、だいぶ乾いてきました。

  なかなかいい感じに仕上がりました。表面が固く、中はしっとり柔らかい。かなりあまいのですが、おいしい。見た目はきんつばみたい。芋味はするけれど、下品ではありません。染めはできなかったけれど、かなり上等のお菓子に変身しました。

  ところで、鍋に残った紫色の甘い汁は、固めにゆでた小豆を入れて煮ました。私は小豆を煮るとき、まったくゆでこぼさないので少々アクが残るのですが、いつもよりさらに赤紫に仕上がった小豆に、アクはほとんど感じられません。芋のアクと相殺したのか、不思議なことです。この甘い小豆は、試作中の卵なしケーキに、カボチャやお茶粉とまぜて入れてみました。
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草木染め講習、平日に行います!

2012-03-02 20:21:29 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
  どんぐり工房での草木染め講習は、原則として毎月第四日曜日ときまっていますが、たまに、申し出があると平日でも開くことがあります。

  今月中ごろにも、前に講習会に来てくださった方の要望で、草木染め講習を開くことになりました。いまのところ参加者は二人だけ。まだ十分余裕がありますので、ご希望の方はぜひご参加ください。詳しくは、以下のとおりです。

 *日時:3月16日(金)10時ころ~3時ころ
 *場所:どんぐり工房
*講習費:2000円(布代別)
 *申し込み・問い合わせ:アンティマキ e-mail  auntie-maki@cb.wakwak.com

  春といってもまだ寒い時期なので、笹やビワの葉で、冬ならこそ生まれる美しい色を染め出したいと思います。ご家庭で眠っている天然素材のシャツやブラウス、布なども、お持ちいただければ染められます。ご相談ください。
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グリーンママン・今年はじめての朝市に出ます!

2012-03-01 10:21:21 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
  豊田市旭地区で行われる「ほんわか里山交流祭り」の翌々日、数ヶ月ぶりに開かれるグリーンママンの朝市にも、出店しますので、お知らせします。

  グリーンママンの朝市は、ブログでも何度か紹介したことのあるささやかなイベント。小さな子供さんを持っているお母さんたちが運営しています。お寺の大広間で開かれるこの市は、近隣で農農薬・低農薬栽培のお米や野菜を育てている農家の方々を中心に、お惣菜や焼き菓子、パン、雑貨類など毎回数店舗のお店が出ています。

  今度の市には、小原地区の西村自然農園、稲武の家具工房・ファーストハンドも出店します。アンティマキは、ただいま試作中のパンとクッキーも、できればお目見えさせたいなと考えています。詳細は以下のとおりです。

  *日時:3月27日(火)午前10時~12時
  *場所;豊田市寺部町2丁目 守綱寺広間
  *10時30~11時・本堂にて守綱寺主催の読み聞かせ会があります。
   問い合わせ先:koma5nin@docomo.ne.jp(小松さん)


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