アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

凍みこんにゃく

2012-03-12 17:41:52 | 手作りのたべもの
凍みこんにゃくというものを作ってみました。冷凍と解凍を何回もくり返し、スポンジ状になったところで乾燥させておけば、何年も保存できるという食品です。

  凍みこんにゃくは、茨城県の農村に江戸時代から伝わる伝統食で、いまは、ただ一軒のこんにゃく屋さん(コチラ→)だけが、昔ながらの製法で作り続けているのだとか。本来は、稲刈りの終わった冬の田んぼに、薄く切ったこんにゃくを広げ、夜の冷気で凍らせては、日中解凍して干し続け、約1か月で完成させる食品で、50年は持つ、という究極の保存食品だそうです。

  稲武では、冬場は夜凍ったら、昼間でもなかなか溶けません。稲武よりあたたかい地方の、それも昼と夜の寒暖の差が激しい地方に生まれた食べものなのでしょう。

  以前、冷凍庫でこんにゃくを凍らせてから溶かし、たれにつけて焼肉風に料理したことがあるので、似たようなやり方でできないかなとおもって、ネットで検索してみたら、簡単な方法が載っていました。

  まず、こんにゃくを薄く切ります。使ったのは、もらいものの自家製こんにゃく。一枚ずつラップに包み、容器に入れて完全に凍らせます。凍ったものを取り出し、常温で解凍。わたしは薪ストーブの下において、解凍しました。水気が出てくるので絞ります。冬以外の時期だと、カビに注意が必要だそうです。

   この作業を10回ほど繰り返します。

   スポンジ状になったら、乾燥させます。

   かなり水分がなくなっているので、けっこう早くカチカチに乾燥しました。密閉容器に入れて保存します。

   作って半月ほど経った先日、料理してみました。

   水で15分ほど戻してから、20分近くゆでます。水をよく絞ってから、自家製のりんごのたれ(コチラ→)にしばらくつけました。水気を含んだ凍みこんにゃくは、しわの加減が豚肉そっくりです。片栗粉をまぶしてフライパンで焼いて出来上がり。

   カメラがぶれて写真が鮮明ではありませんが、見た目は焼肉みたいです。戻し方が足りなくて、まだだいぶ固いのですが、味はいい。たれの味だけでなく、こんにゃくの味がちゃんと残っていて、それでいて臭みはないし、なかなかおいしいものでした。

   寒い間にまた作って、今度はカツにしてみたいとおもいます。





 
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寒竹笹の籠作り

2012-03-12 10:08:28 | 手作りいろいろ
   とよた都市農山村交流ネットワーク主催の山里学校、今年最後の講習会に、生徒として参加しました。前から行きたかった、寒竹笹の籠作りです。

  講習場所は、豊田市旧旭地区の敷島会館。講師は、地元のお年寄りの皆さんです。

  竹かごといえば、太い竹をへいで薄い板状のものを作り編んだかごを想像しますが、こちらで教えているかごは、細い竹、一般にはオカメザサと呼ばれる竹を曲げて作るものです。

  この竹、どこにでもあるのだそうですが、ちゃんと見たことがありません。群落になっているそうです。葉は全部落として、よくしなる、適当な太さの竹を60本ほど選びます。

  大きな籠を作るので、1m以上ありそうな竹を3本ずつ真ん中で縛り、2倍の長さにします。

  それを2組ずつ、放射状に並べます。上下交互に編んでいきます。底をどれだけの大きさにするかは、作りたい籠によって決めます。なにせ長いので、竹の先が目に突き刺さりそうで、注意のいる作業です。

  底作りが終わったら、竹を曲げて編みながら中央に集めます。花びらのようにバランスを考えて集めていきます。この作業が大変。左手で中央に集めた竹を握ったまま作業しないといけないのです。すぐに竹が広がってしまい、バランスが崩れます。講師の方と二人で、なんとか仕事できました。

  このあと、糸底作りに入ります。たぶん、編みこみのようなことをするのだろうと思うのですが、中央に集めた竹で、三つ網を編みながら糸底にしていきます。これは、覚えられなかった。ほとんど講師の方にやっていただきました。
  
  完成です。こんなに広がった形にしたつもりはなかったのですが、作業中にどんどん形が変わってしまいました。糸底もなんだかいびつです。でも、すべすべした青い竹の曲線が美しい。糸底作りができるかどうか心配ですが、自分でやってみたいので、余った竹をいただいてきました。

  この籠づくりは、講師の方々のリーダーのSさんが、数年前ご自宅のお蔵にぽんとおおい発見したのがきっかけです。彼がこの籠を持って、お年寄りに聞いて回ったところ、当時90歳を過ぎていたあるおばあさんが作り方を覚えていて、教えてもらうことができました。

  それから、彼は籠作りを復活させ、講習会をたびたび開いて紹介しています。

  この籠は、昔、冠婚葬祭で人がたくさん集まって食事を出すときに、洗い籠として使われていたのだそうです。籠が足りなければ、その辺で取ってきて急遽作ることもあったかもしれません。青いつるつるした竹は、コーティングされたようにすべすべしていて、水はけがいいようにも見えます。材料はすぐ採取できるし、一般の竹かごと違ってたいした手間もかからず作れます。だから重宝されたのでしょう。でも、簡単にできる分だけ、大事にしまっておくものではなかったため、発見されずにこれまで来たのだと思います。

   ど素人の私でも、なんとか数時間でできたこの籠、生活に必要なものはほとんど自分たちで作っていた昔の人たちの知恵と工夫が、いっぱい詰まっています。
  
  
コメント (2)
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