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アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

薩摩つげ櫛とサツマイモ

2010-05-02 21:22:20 | 便利な道具・好きな道具
  昨年秋にヘナの講習を受けて以来、ほぼ一月に一回の割合で自分でヘナ染めを続けています。(関連記事コチラ→)白髪が目立たなくなっただけでなく、髪がしっかりしてきてつやもよくなりました。なにより、抜け毛が減りました。

 髪がきれいになってきたら、いい櫛がほしくなりました。椿油をよく染み込ませたつげ櫛で髪を梳くと、それだけで髪質がよくなるといいます。それで、つげ櫛のなかでもとくにいいといわれる「薩摩つげ櫛」をネットで購入しました。鹿児島県指宿市の喜多つげ製作所の「解櫛四寸」です。

 薩摩つげ櫛は江戸時代から有名だったそうで、とくに指宿地方は薩摩つげの産地だとか。つげの木が櫛にふさわしい理由は、「成長が遅いため年輪の幅が狭いことから、きめが細かく弾力があ」るうえに、「独特の黄色い滑らかなはだのつげ櫛は椿油を染み込ませて使用するため、髪を梳くごとに自然なつやと潤いを与え」ると、製作所のしおりに載っています。

 まだ使い始めたばかりですが、櫛で梳くと地肌も気持ちよく、髪もいつもよりまっすぐにそろうような気がします。

 さて、私は櫛と掃除用の小さな道具、それと椿油を買ったのですが、手元に届いた小さな包みを開けると、頼んだもののほかにかわいいサツマイモが5本入っていました。一筆箋には「すこしですがお芋を召し上がりください」と書き添えてありました。


 そのうちの1本を、さっそく焼いて食べてみました。おいしい! 水気がほとんどなくてほこほこです! こんなにおいしいサツマイモはめったに食べたことがありません。さすが本場です。「サツマイモ」と書かないで「お芋」としたところが、いかにもサツマイモの本場の人らしい言い方です。芋といえばサツマイモを指すに決まっているのでしょう。どちらにしても、きちんと作られた櫛といっしょに送られたサツマイモ、気持の和む味でした。

 ところで、喜多製作所のしおりには、鹿児島弁で「ゆくさ おさいじゃったもした。喜多つげ櫛をこっもろて あいがとさげもした」とあります。二文目は、「喜多つげ櫛を買ってもらってありがとうございました」という意味だと想像がついたのですが、一文目がわかりません。
  
 薩摩藩は、幕府や他藩に内情を知られないようにするため、よそ者にはきわめてわかりにくい方言をあえて作ったと聞きます。薩摩つげ櫛においしいサツマイモ、それに不思議な鹿児島弁、遠い地方で生まれた文化を一度に三つも知ることができました。
 

  
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皮むき手袋

2010-04-22 16:39:35 | 便利な道具・好きな道具
 皮むき用の手袋を買いました。手のひらの部分がでこぼこになっていて、手で野菜をこすると自然に皮がむける道具です。

 新ジャガイモはかなり簡単にむけます。ゴボウもレンコンもニンジンもダイコンもほとんど皮はむかないで調理するのですが、ジャガイモの皮はむいていました。皮が歯に当たるのが好きではなかったからです。でも、「チエのマクロビオティック料理教室」を主宰するようになってから、本来のマクロビオティックのやり方どおり、皮をむくのをやめるようになりました。

 でもジャガイモは曲面が多いので、きれいに洗うのはけっこう面倒なものです。包丁で向いたほうが早いくらいのときもあります。それにかならず芽が残ります。芽は包丁でそぎ取らなければなりません。

 そんなとき、この道具を見つけました。やってみると、かなりいい。新ジャガイモの芽程度ならほぼ楽に取れます。たわしとちがって、取りたい所だけ除くことができるのが便利です。道具を使っているという実感がありません。しいていえば、手の皮がちょっと厚くなっただけといった感じでしょうか。

ゴボウやレンコンも、わざわざ包丁やたわしをつかわなくても手で洗いながら汚れを取り除けそう。野菜洗いが楽しくなるかもしれません。
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料理用の刷毛

2010-04-17 21:11:39 | 便利な道具・好きな道具
 アンティマキのスコーンには、焼く直前に蜂蜜と米油を混ぜたものを塗ります。そのとき使うのが刷毛。この刷毛というものがけっこう使いづらいのです。

 いま、家にあるのがこの3本。左端は3本のうち最も値段が高い。馬の毛なのです! でもこの刷毛、製造がよくないのか、手でなでるとときどき毛が抜けるのです。これは困ります。しかも、毛が細すぎて油だけならよいのですが、蜂蜜が混ざったものはどうも固まりになりやすい。それで、右端の樹脂製の刷毛を買いました。100円均一で。

 この青い刷毛ははじめはかなり調子よく塗れました。でも、冬、どろどろになった蜂蜜のなかに刷毛を入れると、先端の刷毛が蜂蜜の中に埋まってしまい、柄が抜けてしまいます。先端の部分を取り出しては柄につけるのですが、いつ取れるかわからなくて不安定でいけません。

 今日はじめて使ったのが真ん中のオレンジ色の刷毛。こちらも100円均一で買いました。買ったときは分からなかったのですが、刷毛の部分がカーブしています。こんな具合に。

 安物だから柄に先端の刷毛部分がうまくはまらなかったのかな、と思いました。まあ、どうせそのうち柄が取れてしまうだろうけれど、せっかく買ったのだからとりあえず使ってみることにしました。

 塗りはじめて、驚きました! スコーンにピタッと刷毛が寄り添うのです。刷毛のカーブは、ケーキやスコーンの曲面にあわせてあったのです。たったの100円でいいものにめぐり合えました。たぶんきっとそのうち、青い刷毛と同じように柄からぬけおちてしまうのでしょうが、そのときは、こういうカーブのあるちゃんとした刷毛を探してみようと思います。新しい形の商品を100円で試すことができたのは、幸いでした。
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棕櫚箒

2010-01-28 23:32:47 | 便利な道具・好きな道具
ひと月前から心待ちにしていた棕櫚箒が届きました。全長1m20cm。初めて手に入れた長箒です。

 実を言うと、私は掃除があまり好きではありません。掃除をする時間があるなら、何か作っていたいと思うほうです。とはいえいやがってばかりはいられないので、しかたなくやります。でも、できるだけ時間はかけないですませたい。掃除機は持ってくるだけでもなんだか億劫に思います。図体の大きい掃除機に比べたら、箒は私にぴったりのアイテムなのです!

 というわけで、二十数年来、私は掃除機よりも箒を愛用しています。なかでも一番よく使っているのがこの箒。

 この箒は、京都の箒専門の店で買いました。当時としてはかなり高くて、5000円くらいしていたため、迷った末買った記憶があります。非常に頻繁に使ったので、棕櫚の毛は若干短くなってはいるようですが、使っていて毛が抜け落ちることはほとんどなく、今にいたっています。

 でも、吊るしておかなかったので、こんなふうに変形してしまいました。格好が悪くなったのと、腰をかがめたまま広い部屋をはき続けるのが少々きつくなってきて、長い柄の箒がほしくなりました。

 新しい箒でさっそく掃いてみました。私の背丈にちょうど合っています。棕櫚の一本一本が板の目に沿ってちりを寄せていく感じが、手に伝わるように思えます。

 メーカーは和歌山県の「桑添勇雄商店」。箒職人が製造販売しているお店です。ネットで探しました。

 桑添勇雄商店のhpによれば、この商店は、「室町時代から(棕櫚の)栽培がはじまったといわれ、明治から昭和初期にかけて日本一の棕櫚生産地を誇った棕櫚の谷「野上谷(のかみだに)」(現・和歌山県海草郡紀美野町と海南市の一部)と有田川流域地方(現・有田川町。特に旧・清水町・金屋町の一部)の西端の集落の中にあ」り、その集落は「古くからシュロ箒の生産地として知られた、箒職人が特別に多かった小さな集落だ」とのことです。

 この棕櫚の谷は、昭和30年代に棕櫚産業の衰退に伴ってスギやヒノキの栽培に取って代わり、今ではごくわずかな群落が残っている程度だそうです。

 この商店は、桑添さんご夫婦と二人のお弟子さんが、独自の工夫を盛り込みながら昔ながらの箒を作っているお店のようです。お弟子さんのひとりの女性職人がネット販売でのやり取りを担当していて、とても丁寧な応対をしてくださいます。

 彼女は、研究熱心な方のようで、古い棕櫚箒をご自分の勉強のために見たいから譲ってほしいとhp上で書いています。彼女の文を読んではじめて、私がこれまで使っていた棕櫚箒とこちらの新しい箒とでは作り方にかなりの違いがあることが分かりました。今度買った箒のほうが、ずっと仕事が細かく、丈夫に作られているように思います。

 ともあれ、ひどい使い方さえしなければ、棕櫚箒は20年、30年と使えます。そのことはすでに手箒で実証済み。手に入れたばかりのこの「棕櫚鬼毛七玉長柄箒」は、この先ずっと、もしかしたら私の寿命の尽きるまで、掃除嫌いの私の手助けをしてくれることになるかもしれません。今度はきちんと柱にかけて、ときどきは毛の手入れもしてやることにします。
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